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浅草の新名物。演芸ホールの窓口に姿を見せる看板猫、ジロリくん

浅草演芸ホールに暮らすジロリくん。本職のネズミ退治だけでなく、店の看板猫として多くのファンを抱えています。
  • 撮影・青木和義 文・神舘和典

午前11時。浅草演芸ホールの出札係、まさえさんが切符売り場の窓口を開くと、横からキジトラの雄猫も顔をのぞかせる。ジロリくんだ。推定2歳半。体重は約6キロ。ややむっちりした体だけど、顔はしゅっと凛々しい。「大人一人2,800円でやす」そんな表情で木戸銭をチェックしたり、前脚の肉球でお札を押さえたり、眠くなるとしっぽだけを外に出して道行く人に振ってみたり。

浅草六区の看板猫として、地元の人や、観光で訪れた人たちのアイドル的存在として愛されている。そんなジロリくんの〝本業〟はネズミ退治だ。浅草演芸ホールは1964年に開場した。萩本欽一さんやビートたけしさんも若手時代に舞台を踏んだ歴史あるホール。古い建物なので、隙間も多い。床下や天井裏にネズミが住み着いた。飲食店に囲まれた立地だから、ネズミたちは食べ物にも困らない。

長くネズミ駆除を担っていたジロリくんの先輩、クロくんは10年前に12歳で高齢により引退。その後、ホールはネズミの城に。上演中に噺家さんの背後を走ったり、天井からボトンと飛び降りたり、好き放題。駆除業者や大手警備会社の駆除部隊でも手に負えなかった。切符売り場の天井裏では、連日ネズミの大運動会が行われていたそうだ。「やっぱり猫の手を借りたいと思う」社長の提案にまさえさんも賛成し、クロくんの後継者探しが始まった。

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