『ハレー彗星の館の殺人 老令嬢探偵の事件簿』ロス・モンゴメリ 著 村山美雪 訳──老令嬢探偵が挑むのは彗星降る夜の殺人事件
文字から栄養。ライター・瀧井朝世さんの、よりすぐり読書日記。
文・瀧井朝世
日除けや冷え対策にも便利なシアーカーディガン
コットン100%で軽くて涼しい素材ながら、日差しや冷房の冷えからもしっかり守ってくれるカーディガン。これから暑くなる季節に持っておきたい、心強い1枚です。
1910年、ハレー彗星が地球に到達する日。少年院を出たばかりのスティーブンは慈善家と思われる見知らぬ人物の計らいにより、孤島の館で従僕として雇われることに。たどり着くと、館の当主である子爵は彗星の毒ガスが広まると言い、使用人たちに館中の窓を板でふさがせ、扉の隙間を埋めさせていた。館には来客も数人いるが、今夜全員外出禁止だという。似非科学を信じる子爵にみな、つきあわされているのだ。
そんななかスティーブンに与えられた任務は、子爵の伯母にあたる79歳の老令嬢、デシマの世話。科学者でもある彼女は彗星に興味津々で、車椅子で果敢に観測に出かけようとする。なによりスティーブンを当惑させたのは、彼女がとんでもない毒舌家であること。
翌朝、密室状態だった書斎から見つかったのは、子爵の他殺体。警察も来て調査が進むが、どうにも頼りにならない。そこでデシマはスティーブンや召使を従え、調査に乗り出す。
なかなかオーソドックスなミステリ。シリーズ化しそうな気配なので、第2弾以降、デシマがさらに毒舌で、さらに行動的になってくれるとうれしい。型破りな老令嬢探偵ものを期待してしまう。
『クロワッサン』1164号より
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