50代女性は、なぜたんぱく質不足に陥りやすい? たんぱく質不足で起こること
撮影・宮濱祐美子 料理製作&スタイリング・宮田桃子 文・一寸木芳枝
50代女性は、なぜたんぱく質不足に陥りやすい?
長年の習慣で、食べるものが固定化されがちになる
「定番を作り続けるのはラクかもしれませんが、一方で栄養の偏りも心配です。例えばスーパーで豚ならバラ、魚は鮭の切り身、ヨーグルトの銘柄はこれ一択と、いつも同じものを手に取っている人は要注意。メニューや買うものを固定化させず、違う調理法で変化をつけることで、様々なたんぱく源を摂りましょう」(栄養士・今泉久美さん)
食が細くなり、消化吸収力も落ちる
「加齢とともに基礎代謝量が減ると、量を食べられなくなるのも事実。そこに胃酸の分泌や腸の運動能力低下が加わると、消化吸収力もたんぱく質の吸収効率も落ちてしまいます。また、ベジファーストを実践した結果、たんぱく質までたどり着けずに満腹になる人も。おかずとごはんを交互に食べるようにしましょう」
家族構成の変化などに伴い、食の簡素化が進む
「子どもが食べ盛りの間は、肉や魚を積極的に献立に取り入れ、それらを一緒に食べることで、たんぱく質は足りていることが多いです。ところが、子育てが落ち着くと、3食しっかり摂らないのが日常になり、朝は果物と飲み物だけ、昼はパスタ、夜はお茶漬けなど、簡単に済ませるようになりがち。意識しないとたんぱく質不足に」
手軽に食べられるものが増えたことによる、献立の変化
「コロナ禍を経て、手軽に食事を摂れるデリバリーやテイクアウトが普及し、どんな料理でも簡単に食べられるようになりました。ですが、口にしようと思ったら、いつでも食べられるという状況では、自分の好きなものばかりに偏ってしまいます。それでは野菜はもちろん、たんぱく質も充分に摂れていない可能性が大」
たんぱく質不足で起こること
体温が低下し、脳の働きが下がる
「朝は、食事を摂って体を温めることが大切。とはいえ、白湯や果物、ヨーグルトだけでは圧倒的にたんぱく質が足りず、体温を上げるには不充分。脳にも栄養が行き届かず、頭の働きも悪くなるため、午前中の仕事効率にも影響が出ます。やるべきタスクをこなすためにも、朝からしっかりたんぱく質を摂りましょう」
疲労がたまりやすく、過食が進む原因に
「朝昼でしっかりたんぱく質を摂り、夜は消化の悪いものを控えて軽めに済ませるのが理想的。昼までにたんぱく質を充分に摂れないと、疲労がたまりやすくなり、間食で甘いものに手を伸ばしたり、夜のドカ食い、深夜のおやつに走りがち。その結果、たんぱく質などの栄養は不足しているのに太ってしまう、ということも」
筋力が低下し、フレイルの可能性が高くなる
「筋肉を作るのに必要不可欠な栄養素が不足すれば、筋力低下につながるのは当然。ちなみに、2019年の平均寿命は女性87・45歳ですが、健康寿命は75・38歳。この健康寿命をできる限り延ばすためにも、筋肉はつけておきたいところ。筋肉量が計測できる体重計を購入して、一日1回必ず乗って確認するのもおすすめです」
肌や髪の健康状態が悪くなり、免疫力も下がる
「更年期の女性は、体を守ってくれていた女性ホルモン、エストロゲンが減少し、体全体の機能が低下します。そこにエネルギー源でもあるたんぱく質不足が追い打ちをかければ、体へのダメージは大。また、骨の4分の1はコラーゲンといわれるたんぱく質でできているため、骨粗鬆症予防の観点からも、たんぱく質摂取は大切です」
『クロワッサン』1157号より
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