フォーシーズンズホテル京都で舌鼓 江戸前鮨の名店「鮨 銀座おのでら」の料理長おまかせコース
撮影・文 神保亜紀子
神社仏閣に囲まれた東山エリアに建つ「フォーシーズンズホテル京都」。和のエッセンスを取り入れたミニマムな空間にアートを取り入れた、優雅で心地良い館内。平安時代に作庭されたといわれる名庭「積翠園(しゃくすいえん)」には数寄屋造りの茶室があり、風情豊かな景観を大切に受け継いでいます。
そんな伝統とモダンが調和する京都屈指のホテルに、満を持してオープンしたのが「鮨 銀座おのでら」です。
「銀座おのでら」グループは、豊洲市場でのマグロの初競りで毎年話題になる店としても有名。本格的な握り鮨から、回転寿司、立ち食い寿司までを国内外に展開するマグロの目利きであり、鮨のプロ。
その「銀座おのでら」の中でも最高峰の江戸前鮨をいただけるのが、銀座の総本店「鮨 銀座おのでら」。2013年のオープン以来、統括総料理長・坂上暁史さんの「一口ごとにドラマを創りたい」という思いに裏打ちされた、厳選された食材と確かな技術のもと本物の鮨を提供してきました。
「鮨 銀座おのでら」の技術と精神を引き継いだ「鮨 銀座おのでら フォーシーズンズホテル京都店」は、高級業態店舗として関西エリア初出店。
「銀座おのでら」全店舗の監修をおこなう統括総料理長・坂上さんの監修のもと、料理長は「鮨 銀座おのでら ニューヨーク店」(2023年8月閉店)で2021年の着任以降、5年連続ミシュランの星を獲得し続けた久保卓弥さんが務めます。
美しい白木のカウンターで味わう江戸前鮨
店の中央に堂々と佇むのは、樹齢400年の檜を用いた、長さ8メートルの白木のカウンター。大きな窓からは積翠園をのぞめ、開放感のある温かな空間です。
カウンターの奥には、「銀座おのでら」の象徴ともいえる備前焼とともに伝統的な京焼の器が飾られ、空間にも京都らしさを演出しています。
メニューは、料理長おまかせのディナーコース2種(3万7500円/4万9500円・税サ込)。3万7500円のコースでは、前菜5種、握り8貫、小丼ぶり、玉子焼き、味噌汁、デザートといった構成。
100種類以上揃うワインをグラスでオーダーできるのも利点。また、ワイン、日本酒、ティーから選べるドリンクペアリングも用意されており、私が選んだティーペアリングでは玉露、燻製茶、京番茶などの5種類が料理に合わせて提供。
鮨と茶の珍しいペアリングは、香りをマッチングさせていくのがポイントだそう。スモーキーなお茶の香りと握り鮨がこれまでに味わったことのない不思議なマリアージュを引き起こす……という目からウロコの体験でした。
メインの握りは8貫を堪能。マグロ仲卸「やま幸」が仕入れた本マグロ(北海道)の大トロと漬けを筆頭に、姫島産の車海老、北海道のエゾバフンウニなど極上ネタが次々と登場。口に入れば、たとえようもない口福感に包まれます。
また、嬉しいサプライズも。
品書きはあるものの、その日の仕入れによって“最高のネタ”を提供するのが「鮨 銀座おのでら」らしい粋な計らい。料理長のみぞ知る、その日のメニューを存分に楽しめます。
デザートに用意されていたのは「鮨 銀座おのでら」共通のデザート「抹茶ブラマンジェ」。なめらかな口どけと程よい甘みが、締めにふさわしい味わい。
料理長の軽快なトークも弾み、堅苦しさのない空間でいただけるのもここの魅力。
京都という場所で江戸前鮨をいただく体験は、なかなかオツなものです。京都の新しい楽しみ方の一つに加えてみては。
鮨 銀座おのでらフォーシーズンズホテル京都店
住所:京都府京都市東山区妙法院前側町445-3フォーシーズンズホテル京都3階
TEL:075-541-8288
営業時間:18時〜20時/20時30分〜22時30分 ※一斉スタート
席数:20席(個室席10席含む)
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