『ピンポイントで整う! じんわり押し活』著者、崎田ミナさんインタビュー。「自分の体をいたわるのは、自分への推し活なんです」
誰かを好きになって応援して「推す」。そんな「推し活」と同じように、自分自身のことも大切に思って推せたらどんなにいいだろう。そんな願いがこめられた崎田ミナさんの新刊『ピンポイントで整う! じんわり押し活』は、自分の体を「押す」ことで、自分自身をいたわりケアするもの。そんな「押し活」について、崎田さんがこめた思いや実践法についてうかがった。
⚫︎崎田ミナ(さきた・みな)さん
イラストレーター、漫画家。
1978年、群馬県生まれ。 ヨガ通いによって、長年のうつ病を克服。著書の『自律神経どこでもリセット! ずぼらヨガ』『自律神経どこでもリセット! も〜っとずぼらヨガ』(共に飛鳥新社)、『職場で、家で、学校で、働くあなたの疲れをほぐす すごいストレッチ』(エムディエヌコーポレーション)、『くう、ねる、うごく! 体メンテ』(マガジンハウス)、『自分の手でときほぐす! ひとりほぐし』(日経BP)はいずれもベストセラーになっている。
少し怖かった「鍼灸院」だけど、プロも通うならと好奇心が止められず
「整体やマッサージ屋さんに行くと、そこで働いている先生方が『鍼灸院に行く』とおっしゃることが多かったんですよ。プロが行くほどなら、どんな効果があるんだろう!と気になって。鍼はちょっと怖いイメージがあって、最初はハードルを感じていたんですけど、どうしても好奇心を止められなくなったんです」
いざ行ってみたら、ツボのすごさに感動した。
マッサージは広い範囲にアプローチするが、ツボは「点」=「ポイント」で効果を出す。そのおもしろさに、描きたい気持ちが膨らんだ。
本の中には、ツボの他に「トリガーポイント」と「リガメント」が登場する。 聞きなじみのない言葉だが、トリガーポイントは体のコリほぐしに、リガメントは顔の老け悩みケアに効果がある。
「健康関連の雑誌や資料の中に「トリガーポイント」や「リガメント」という言葉を見かけて、ここ数年気になっていました。イマイチわからないけど気になっていたんです。なので、「ピンポイント」でケアするツボと合わせて、全身のピンポイントおつかれケアとしてまとめたら、おもしろくて役立つ本になるのではないかと考えました」
「感覚でわかる表現」にこだわりぬく
「実は取材に行く前はあえて知識をつけず、ほぼ何も知らない状態で先生に教わって、『これはこういうことなんだ!』という、その場でリアルに感じた印象や感動を、原稿に落とし込むようにしています」
プロも驚くほど体への豊富な知識を持つ崎田さんだが、本を描くための知識をつけるのは取材のあと。
徹底的に読者に寄り添ってくれるから、崎田さんの本はわかりやすい。
「原稿を作るときに一番気をつけているのは「読者視点」です。難しい言葉を使わないことは徹底していますね。一通り描き終えた後に、また読者目線に戻って、『これって健康のことに詳しくない夫や母が読んでわかるかな?』と、視点を変えて何回も見直します。家族の「素人の目」を借りて、どんどん改善してわかりやすくしていくんです」
「ツボやトリガーポイントを押さえる時の、見え方の方向にもこだわりました。よく、正面を向いたままの構図で説明されていますが、自分の目線の向きではないので、私としてはわかりづらいなと思っていました。なので、原稿を描く時は、自分視点の構図にしています。実際にやってみて、自分目線で写真を撮って描いています」
「感覚を表現することもとても大事にしていて、描き文字にもこだわっています。
例えば、硬い刺激なら『グッ』、柔らかい感覚なら『じわ〜』と表現します。筆文字っぽくすることもありますし、色やぼかしで空気感を出すことも意識しています」
わかりやすく素直な解説、視覚でわかる押す強さ、気持ちよさの感覚表現ーーたくさんの工夫があるこの本を、ぜひ隅々まで読み込んでほしい。
続けるコツは「なんかいいな」と思えるお気に入りを見つけること
「私自身、とっても面倒くさがりなのですが……そんな私でもヨガをゆる〜く続けられている理由は、気負いすぎずに「お気に入り」を見つけるから。みなさんも、押したときの感覚や気持ちよさ、そのあとの体に出る効果などからお気に入りを見つけてみるのはいかがでしょうか。とはいえ「お気に入りを作らないと」と気負わずに、「なんかいいな」くらい気楽に探してほしいと思っています」
お気に入りを試しているうちに、自分にとって必要だと思えれば、歯磨きみたいに続けられそうだ。
「まずは自分の体にイタ気持ちいいと感じる「ポイント」を発見するおもしろさを感じてほしいですね。効果が出るのが一番だけれど、自分の体に触れて、「気持ちいい」「温かい」と自分の体で感じることがセルフケアの第一歩。まずは自分の体を触って、セルフケアの第一歩を踏み出してほしいです」
広告