専門家が偏愛する、多彩な醤油、酢、味噌。
調味料に詳しい3人の専門家と編集部スタッフのおすすめする逸品とは。
撮影・三東サイ 文・熊坂麻美
教えてくれた人
●MICHIKO(みちこ)さん
調味料研究家。
調味料ソムリエプロや野菜ソムリエプロの資格を持ち、レシピ開発や講演などを行う。毎年開催される調味料選手権の審査委員長も務めている。
●甲斐みのり(かい・みのり)さん
文筆家。
お菓子や手土産、旅など自分のときめきを追求して執筆。調味料好きとしても知られる。最新刊は『日本全国 地元パン』(エクスナレッジ)。
●藤田千恵子(ふじた・ちえこ)さん
フリーライター。
全国各地の日本酒や発酵食品、調味料の造り手を取材し執筆する。著書に『これさえあれば 極上の調味料を求めて』(文藝春秋)など。
\ほか、編集部のスタッフも!/
横井醸造|江戸前熟赤酢
「酒粕由来のまろやかな酸味と独特のコクが魅力。」編集C
長期熟成した酒粕を丹念に仕込んだ数量限定品。「シンプルな味付けが生きます。温めた豆乳に塩味をつけ赤酢を加えると、ふわふわに。台湾のシェンドウジャン風でおいしい」。
●横井醸造工業 TEL.03・3522・1111
丸正醸造|青こしょうのいい香りがたまりません!
「青こしょうのいい香りがたまりません!」編集Y
安曇野産の青こしょうを、長期低温熟成したまろみのある信州醤油に漬け込んだ、信州ではおなじみの醤油。「爽やかな香りと辛みが絶妙です。刺身やサーモン丼、冷奴によく使います」。
●丸正醸造 TEL.0120・0440・32
キノエネ醤油|白しょうゆ
「クセがなく、和洋中どんな料理も味わい深く。」MICHIKOさん
小麦を主原料に恒温醸造で造る琥珀色の醤油。「塩の代わりに使うと、奥行きの深い風味と旨みが加わり、高級料亭の味わいに。野菜などの素材の色を生かしたい料理にも最適」。
●キノエネ醤油 TEL.04・7125・4151
はるこまや|あるちざん
「毎日のお味噌汁の味が、格別のものに。」藤田千恵子さん
国産の農薬不使用米と大豆、沖縄「粟國の塩」を使用。1年ほどじっくり熟成させ、力強く滋味あふれる味に。「丁寧に手をかけ、品質と味を追求し続ける生産者の姿勢を信頼しています」。
●はるこまや mail:shop@harukomaya.com
でぃーぷまりん|深島みそ
「こだわって作られる分、しみじみとしたおいしさ。」甲斐みのりさん
大分県の離島・深島に伝わる伝統の麦味噌。九州産の麦から作る麹を使い、昔ながらのかまどで手作りする。「ふわっと麹の香りと甘さが広がり、具材のおいしさを引き出してくれます」。
●でぃーぷまりん mail:deepmarine33@gmail.com
九重味淋|下味革命 もろみのチカラ
「漬けおきで素材がやわらかく、旨みアップ。」MICHIKOさん
みりんの製造工程でできるもろみを使った調味料。「醤油や味噌と混ぜて漬けおくだけで、肉や魚の臭みを消して味がよく染み込みます。鶏のから揚げや魚の西京焼き風などが簡単で本格的な味に」。
●九重味淋 TEL.0566・41・0708
発酵醸造食品販賣所 たなか屋|あかしの魚笑
「ひと垂らしで旨みとコクがプラスされます。」編集T
明石海峡で獲れたいかなごと塩のみで造った魚醤。「和風パスタの具材にたらしても、卵かけごはんにそのままでも。野菜を塩と魚笑でもむと、素材の甘みが引き立つ即席漬けが完成」。
●発酵醸造食品販賣所 たなか屋 TEL.078・912・2218
ミツル醤油醸造元|生成り、濃口(左)・ 生成り、うすくち(右)
「お醤油ってこんなにおいしいのかと感動!」藤田さん
地元の福岡・糸島産の原料を用いて手作業で醸造。「大量生産品とは一線を画す鮮烈な香りと旨みがあります。濃口をお豆腐に、うすくちを昆布とかつお出汁のお吸い物に少したらすのも好き」。
●ミツル醤油醸造元 TEL.092・325・0026
『クロワッサン』1102号より