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稀代のファッションアイコン、ジェーン・バーキンの歌手としての魅力【高橋芳朗の暮らしのプレイリスト】

ジェーン・バーキン『想い出のロックン・ローラー』

稀代のファッションアイコン、歌手としての魅力を再確認。

自然体で飾らないライフスタイルが熱烈な支持を集め、時代を超えて多くの人々を魅了してきたジェーン・バーキン。彼女が7月16日に他界してからさまざまなメディアでたくさんの追悼特集が組まれていますが、その多くはジェーンが由来になったエルメスの高級バッグ「バーキン」の逸話に象徴される彼女のファッションアイコンの側面にスポットを当てたものでした。

もっとも、我々日本人には「歌手:ジェーン・バーキン」も同様に親しみ深い存在だったはず。
たとえば1980年代、ピエロの人形と子供の交流を描いた日本信販(現・三菱UFJニコス)のCMソング「コワ」をきっかけに彼女のことを知ったという方は案外多いのでは。
また、内夫セルジュ・ゲンスブールが作詞曲を手がけた「無造作紳士」(1978年)が田村正和主演のTBSドラマ『美しい人』(1999年)の主題歌に使用された際には、同曲を収めた日本企画のジェーンのベストアルバムが30万枚もの売り上げを記録しています。

日本の歌手によるジェーンのカバーでは、小林麻美が「雨音はショパンの調べ」(1984年)のカップリングで取り上げた「ロリータ・ゴー・ホーム」(1975年)、安田成美が1988年に「思い出のロックンロール」と改題して歌った「想い出のロックン・ローラー」(1978年)が印象的。大貫妙子が日本語詞をつけた後者は、野宮真貴がライブのレパートリーにしていました。

上から、ジェーン・バーキン『Ex Fan Des Sixties』、「想い出のロックン・ローラー」「無造作紳士」 収録。安田成美『ジンジャー』、「思い出のロックンロール」収録。野宮真貴『男と女 〜野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。』、「想い出のロックンローラー」収録。
上から、ジェーン・バーキン『Ex Fan Des Sixties』、「想い出のロックン・ローラー」「無造作紳士」 収録。安田成美『ジンジャー』、「思い出のロックンロール」収録。野宮真貴『男と女 〜野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。』、「想い出のロックンローラー」収録。
  • 高橋芳朗 さん (たかはし・よしあき)

    音楽ジャーナリスト

    著書に『ディス・イズ・アメリカ「トランプ時代」のポップミュージック』(スモール出版)など。

『クロワッサン』1103号より

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