更年期を乗り越えた草刈民代さん、「早めのHRTで不調が改善」。
撮影・天日恵美子 スタイリング・宋 明美 ヘア&メイク・斎藤美紀 文・一澤ひらり
“早めのHRTが奏効! 現役時代酷使した体も程よくゆるみ快調。”【草刈民代さん 58歳】
「今が一番居心地のいい体なんです」と、笑顔も軽やかな草刈民代さん。
「43歳でバレエを引退してから、体を締めていた筋肉を徐々に落としていって、とくに去年は企画・プロデュースしたウクライナ国立バレエの支援チャリティ公演の準備が忙しくて、その後もほとんど運動をしなかったんです。
それが功を奏してか、ようやく体がゆるみ調子も上々。15年もかかりましたが、体はもちろん、呼吸や考え方、いろんなことがすごく楽になりましたね」
更年期とも重なりあう時期だったが、現役時代に限界まで酷使していた体がゆるんだことと、あるきっかけで出会った医師のおかげで深刻なことにはならずにすんだという。
「5年前にテレビドラマでウィメンズクリニックの院長役を演じることになって、『女性ライフクリニック』の対馬ルリ子先生にお話を伺いつつ診察を受けたら、女性ホルモンの数値が低いことがわかったんです。その1年ぐらい前から寒気を覚えるようになって、血が冷えているような感じがありました。それは体温調節機能が乱れる更年期症状だと指摘されたんですよね」
更年期の自律神経失調でよく起こるホットフラッシュではなく、草刈さんの場合は逆に冷えの症状が表れた。
「提案されたのがホルモン補充療法(HRT)でした。月1回の注射と、塗り薬を処方されてスタートしましたが、半年ほど続けただけで不調が改善されたんです。私は効きやすかったみたいで、あまりつらい思いをせずすみました」
毎朝晩続ける瞑想が、穏やかに過ごす心の軸。
更年期は心身ともに揺らぎやすいが、草刈さんには大きな支えがあった。
「10年続けている瞑想です。バレエを辞めてから自分の芯になるものが欲しくて探していましたが、たまたま手にしたのがヒマラヤ大聖者、ヨグマタ相川圭子さんの本でした。講演も聴いて感銘を受け、瞑想を始めたんです。
ただ座って、何も考えず、頭を空っぽにする。これが実に難しくて雑念が湧いてばかり。10年かけてようやく無心で数分間座っていられるようになりました。体のとらわれや心のしがらみから自由になっているんでしょうね。瞑想によってリラックスできるんです。
朝の起床後と夜寝る前の10分間していますが、更年期の精神的な浮き沈みもあまりなく快適に過ごせています。私の大切な拠りどころですね」
また、香りのよい入浴剤でゆったりお湯に浸かったり、美顔器などで肌の手入れをしたり、シンプルな癒やしの方法も心身を潤すルーティンに。
「60手前になると、次へのステップが大きなテーマ。更年期をどう過ごしたかが糧になると思っています。自分を見つめ直すいいチャンスですね」
カットソー2万900円、セーター3万9600円、パンツ3万1900円(以上マレーラ/三喜商事 TEL.03・3470・8233) パールピアス4万6200円(エテ TEL.0120・10・6616)
『クロワッサン』1104号より
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