マスターしたい魚料理!アクアパッツァの基本と3つのレシピ。
世界のワイナリーを巡った料理家でソムリエの大橋みちこさんに教わります。
撮影・青木和義 文・田村幸子
アクアパッツァ
□ 水と酒の力で魚のうまみを引き出す。
□ 魚に塩をして、出てきた水分を拭く。
□ 水フライパンは20cmくらいが便利。
丸ごと鯛のアクアパッツァ
スタンダードな「アサリのうまみ×水」で、白身魚のうまみを引き出す。スープごと食べても、〆にパスタをからめてもおいしい。
【材料(2人分)】
チダイ 1尾(約200g、専門店や鮮魚コーナーなどで煮魚用にうろこと内臓を取ってもらう)
アサリ 200g
ミニトマト 100g
黒オリーブ(種抜き)20g
にんにく 1かけ
オリーブオイル 大さじ1
白ワイン 大さじ1
水 50ml
イタリアンパセリ 適量
塩 適量
【作り方】
1.塩分3%の水でアサリの砂抜きをする。バットにアサリを並べ、少し水面から出るぐらいの塩水(左写真は200mlの水に塩小さじ1)を注ぎ、アルミホイルや新聞紙などをかぶせて暗くし、冷蔵庫で3時間以上置く。砂が抜けたら、殻をこすり合わせて流水で洗う。
2.鯛の両面に塩をひとつまみずつ振って5分置き、出てきた水気をペーパータオルで拭き取る。
3.にんにくは半分に切り、芽を取り除いてから庖丁の腹でつぶす。黒オリーブは輪切り、イタリアンパセリは粗みじん切りにする。
4.フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて火にかけ、弱火で香りを立てる。
5.鯛の両面にもう一度塩をひとつまみずつ振り、フライパンを強火にして両面をこんがり焼く。
6.いったん火を止めて、アサリとミニトマト、黒オリーブ、白ワイン、水を加える。
7.6を中火にかけ、煮汁が沸騰したらふたをして、弱火でアサリの殻が開くまで7〜8分煮る。
8.ふたを取り、さらに2分煮て、仕上げにイタリアンパセリを散らす。アサリから塩水が出るので、味見をして塩気が足りない場合のみ塩を加える。
※6のタイミングで粗く刻んだドライトマトを1〜2g加えると、さらにコクが増す。
鮭ときのこと高菜漬けのアクアパッツァ
「高菜漬けとチーズは発酵食の仲間なので、実は相性がいいんです。きのこと野菜がたっぷり食べられます」(大橋さん)
【材料(2人分)】
生鮭2切れ(約200g)
きのこ 200g(好みで2種類、今回はしめじと舞茸)
高菜漬け(古漬け)35g
にんにく 1かけ
オリーブオイル 小さじ2+小さじ2
白ワイン 大さじ1
水 大さじ2
塩 小さじ1/4
粗挽き黒こしょう 適量
パルミジャーノレッジャーノ 適量
【作り方】
1.生鮭に塩ふたつまみ(分量外)を振って5分置く。にじみ出た水気をペーパータオルで拭き取る。
2.きのこは食べやすい大きさに裂く。高菜漬けは粗みじん切りに、にんにくは芽を取り除いてみじん切りにする。
3.フライパンにオリーブオイル小さじ2をなじませ、きのこを敷きつめ、高菜漬けとにんにくを全体に散らして、白ワインと水をまわしかける。
4.3に塩を振った鮭をのせ、ふたをして中火にかける。グツグツ沸いたら、弱火にして8分蒸し煮にする。
5.4にオリーブオイル小さじ2をまわしかけ、黒こしょうを振り入れ、パルミジャーノレッジャーノを削り入れる。
※きのこは2種類以上を組み合わせると風味が増しておいしい。
鰆(さわら)の紙包みアクアパッツァ
「オイスターソース×水」でうまみを立たせる中華風。1人分ずつ包むと取り分ける手間がいらないので、お客様にも。
【材料(2人分)】
鰆2切れ(約200g)
長ねぎ(白い部分)2本
しょうが 1かけ(約8g)
ニラ 2本
オイスターソース 小さじ2
酢 小さじ1
酒 大さじ1
水 大さじ1
ごま油 大さじ1
塩 小さじ1/4
オーブンシート長さ 約35cm×2枚分
【作り方】
1.オーブンは180度に予熱設定する。
2.鰆に塩ふたつまみ(分量外)を振って5分置き、にじみ出た水気をペーパータオルで拭き取る。
3.長ねぎはなるべく薄く斜め切りにし、しょうがはせん切り、ニラは小口切りにする。
4.オーブンシート2枚それぞれの中央に長ねぎを半量ずつのせ、オイスターソース、酢をまわしかける。
5.塩を振った鰆を4の真ん中にのせ、しょうがを重ね、酒と水を半量ずつまわしかける。
6.オーブンシートの上下の辺を重ねてキャンディのように包み、オーブンで13分加熱する。
7.オーブンシートを開き、ニラをのせ、上からよく熱したごま油をかける。
※鯛、金目鯛、鱈などでも、代用できる。
『クロワッサン』1081号より