そもそもなぜ、食物繊維を摂ると腸内環境がよくなるの?
腸活の成功を左右する食事。中でも、要になる食物繊維はより効果を発揮する摂り方を知ることが大切に。
日本食物繊維学会理事長の青江誠一郎さんに教わります。
日本食物繊維学会理事長の青江誠一郎さんに教わります。
イラストレーション・ZUCK 構成&文・中條裕子
Q.そもそもなぜ、食物繊維を摂ると 腸内環境がよくなるの?
A.腸内細菌のエサとなることで、食物繊維が腸内環境を健やかに保つ。
食物繊維とは、ヒトの消化酵素で分解されない食べ物のこと。胃や小腸などで消化・吸収されずに、そのまま大腸まで届けられる。
そのため、栄養素としては体が利用できないため、以前は残りかすのように思われてきた。
が、実は食物繊維が腸内環境と深い関わりがあるとわかり、近年では第6の栄養素としてにわかに注目されるように。
「腸内細菌の研究は2000年くらいから急激に進歩して、食物繊維の大切さが言われるようになりました」
と語るのは、日本食物繊維学会の理事長を務める、青江誠一郎さん。なぜ、食物繊維を摂ることで、腸内環境は改善するのだろうか。
「一つは、昔から言われているように水を吸って膨らむので、便通がよくなるということ。いわゆる腐敗物や毒素を早く外に出してくれる、デトックスのような働きです。
そして、今最も大切だと言われているのが、食物繊維が大腸で腸内細菌のエサになるということなんです。もしエサがないと、代わりに細菌は腸に分泌される粘液を食べてしまい、腸内のバリアが薄くなって機能が破綻する。
そこから悪いものが腸内に入ってくることに。腸内環境が悪化すると、アレルギーになったり、毒素が体内に入ってさまざまな不具合を起こす原因になります」
人間の体を守ってくれるバリア機能を低下させないためには、腸内細菌のエサとなる食物繊維が食事の要に。
『クロワッサン』1085号より