菓子研究家の長田佳子さんが手みやげに推薦!「tsuzuru」の「ASSORTED COOKIES “GRADATION”」
撮影・青木和義 文・辻さゆり
味のグラデーションを楽しむ妥協のないクッキー。
素材を生かし“食べてほっとする”お菓子作りを目指している菓子研究家、長田佳子さんお薦めの手みやげは、奈良のカフェ『tsuzuru』の焼き菓子だ。以前、東京・月島で長田さんと共に工房でお菓子の研究を重ねてきた城由起子さんが、奈良に移住して作っている。
「私も彼女も、お菓子は滋養のあるおいしいものを少しだけ食べたいほう。このクッキーも、素材に真摯に向かい合っている彼女の生き様が出ているようで、背筋が伸びる気がします」
「ASSORTEDCOOKIES“GRADATION(アソーテッド クッキー グラデーション)”」は、缶を開けると色が微妙に違う6種類のクッキーが並んでいる。スペルト小麦とアインコーンという2種類の無農薬古代小麦を使ったクッキーには番号がふられ、例えば「Ⅰ」は何も加えずにスペルト小麦のみ、「Ⅱ」はそれにクミンを加えたものといった具合に、素材を少しずつ変えることによって、味や風味のグラデーションを楽しめるというものだ。
「小麦の研究もしていた彼女らしいクッキーです。奈良のお店も、クッキー同様、どこかストイックでありながら居心地がよく、とても気持ちのいい空間です」
長田さんは手みやげに手作りのお菓子を持って行くことが多い。現在の道に進んだきっかけも、そのお菓子をみんなが「思った以上に喜んでくれた」から。心と体に寄り添うお菓子作りを発信し、昨年、使う素材に近い場所に住みたいと、東京を離れて山梨県へ居を移した。
「素材の味が濃いからか、使うお砂糖の量がどんどん減っています。今はアトリエ兼工房としているラボで、不定期ですが、地元で採れた果実を使ったお菓子や、自分で育てたハーブのお茶を提供しています。来てくださった方がとても喜んでくださるので、来年からは通販にも挑戦しようかと。やれることを少しずつやっていけばいいのだと、『tsuzuru』さんの存在から勇気をもらっています」
●ツヅル
奈良市高畑町1455
TEL.0742・87・2355
営業時間:土・日・月曜13時〜17時(要予約)
https://tsuzurugift.thebase.in
『クロワッサン』1084号より
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