医師に教わる口腔ケアの極意、歯磨き二刀流とは?
そのためにすべきことは何かを訊いた。
撮影・森山祐子(物) イラストレーション・間柴勇輔 文・藤田まゆみ
【毎日続けて健口に! 口腔ケアの具体的な実践法はこれ。】
口腔ケアの極意、 歯磨き二刀流で磨き残しの歯垢をなくす。
古舘さんが“健口”の三本柱の最後に挙げる口腔ケア。しっかり歯垢を除去する極意として提唱するのが“歯磨き二刀流”だ。
「まずはヘッドが大きいものと小さいものなど、タイプの違う2種類の歯ブラシを用意。ペンのように持って歯に正しく当て、小刻みに動かします。途中で歯ブラシを替えて、もう一度。2回の歯磨きで歯の表、裏、咬合面を各10回、1歯30回磨くのが理想です」
さらに丁寧なケアを行うなら、1回目と2回目の歯磨きの間に、フロスか歯間ブラシを使い、マウスウォッシュによる“ブクブクうがい”を加える。
「フロスを使うと、多くの場合、食べカスや歯垢が絡まってきます。そこは歯ブラシで磨けていない部分。1カ所でもあるなら、そこだけでもフロスを使って。マウスウォッシュによる“ブクブクうがい”は、例えば1カ月と期間を決めて、口腔の状況が改善されてきたら休止してもいいと思います」
また、2回目の歯磨きのあとのうがいは、歯磨き粉の有効成分を洗い流してしまわないよう、30~40mlの少量の水で、さっとすすぐのが望ましい。
(1)正しい歯ブラシの 持ち方 \ペンを 持つように/
歯ブラシを軽くつまむように持つと、力を入れ過ぎることがなくなり、細かいところまで丁寧に磨ける。
(2)正しい歯ブラシの当て方 \歯面には直角/
歯の面に歯ブラシを直角に当てる。歯は丸みがあるので、磨き残しが出ないように小刻みに動かす。
(3)正しい歯ブラシの当て方 \歯肉の溝には45度/
歯と歯茎の間の歯周ポケットは歯周病菌の巣窟。溝を掃除するように歯ブラシを当てて、歯周病を予防。
口腔ケアの順番
(1)1回目の歯磨き
↓
(2)デンタルフロスか歯間ブラシ
↓
(3)マウスウォッシュでうがい
↓
(4)2回目の歯磨き
歯磨き二刀流に用いる、デンタルグッズの選び方。
口の状態は各人で違う。歯ブラシは、ヘッドの大きさ、毛先の形状、硬さなど、自分に合うものを選ぶのが基本。
「特になければ1本目は、毛先がまっすぐで中くらいのヘッドの、シンプルな歯ブラシがいいと思います。2本目は1本目と違う小さな毛先のものを選んで。歯磨き粉はフッ素濃度が高いほど、むし歯予防効果が期待できます。最近ではフッ素濃度1000ppmを超える製品も。さらに研磨剤、発泡剤を含まないものならじっくりと磨けます」
マウスウォッシュも殺菌効果の高さが選択の基準となるが、エタノールの刺激が苦手な人は、エタノールを含まない製品を選ぶといい。
磨き残しが気になるところをピンポイントで磨けるタフトブラシ。
弾力が強い二重芯構造の超極細毛で、しっかりとした磨き心地。
極薄のヘッドと先端を細くした形状で奥歯まで届きやすい。
1本の束になった384本の繊維がふわっと広がって汚れを絡めとる。
フッ素1450ppm配合。やさしくじっくり磨ける無研磨ジェルタイプの歯磨剤。
口腔内・のどの殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去に効果があるうがい薬。
*価格はすべて編集部調べ。
『クロワッサン』1066号より