動物医療が進歩し、フードも良くなって、長寿の犬や猫が増えている今。完治しにくい病気とともに生きていくケースや、ハイシニア期以降で必要になることが多い、介護についても知っておきたい。猫の場合から見てみよう。
「最初に考えたいのが、生活スペースです。行動範囲が狭くなってきたら、室温の調整がしやすく、また、ベッドの近くで食事やトイレを済ませられる環境を用意します。ただ、猫にはプライドがあり、トイレの場所を変えても元の場所に戻ってしまうことが多いので、トイレの数を増やす、徐々に近づけるなどして配慮します」
トイレトレーを、またぐのに苦労しない高さのものに替えるなどの工夫も必要になるという。
「食器の高さも、少し高くしたほうが食べやすくなることがあります。寝たまま食事を与える場合は、顔や体を起こし、誤嚥性肺炎を起こさないようにケアを。これは、犬の場合も同じです」
また、犬猫ともにクリニックでの治療は、
「注射剤は飲み薬で代用できるならそちらに替える、リハビリも飼い主が覚えて自宅で行うなど、通院の負担をできるだけ減らせるといいですね。往診に応じている病院に相談するのも手です」