ツレヅレハナコさんに教わる、せいろで作る家中華。
撮影・福岡 拓 スタイリング・佐々木カナコ
素材ふっくら、旨味を逃さない。せいろで広がる、家中華の魅力。
食器棚をのぞくと、貫禄たっぷりのせいろがいくつも。せいろを愛してやまない、ツレヅレハナコさん。
「せいろって、なぜかテンションがあがりませんか? コンビニの肉まん一つでも本当においしくしてくれる、心を豊かにしてくれる道具だよなあ、と思います。高温の蒸気で加熱するからか、なんでもツヤツヤムチムチになる(笑)。レンジも便利ですが、比べてみると明らかに違う熱の入り方、水分のつき方をするんですよね。しかも、せいろなら多少長時間蒸しても状態があまり変わらないから、失敗が少ない。料理をしていても気楽ですし」
だからこそ、おもてなしの料理にもぴったり。仕込んでおけば、食べたいときに加熱スタート。料理が苦手な人も慌てずにいられる(油も飛び散らないので、おしゃれをしていてもOK)。
「箸休めなどは早めに用意しておけばいいですし、せいろごと、熱々を食卓に出すのも盛り上がりますよ」
蓋を開けたときに立ち上る蒸気は何物にも代えられない、ごちそう。
「これから買うなら、お皿ごと入る大きめのもの選ぶことをおすすめします。しまいこまず、出しっぱなしにしてどんどん使ってほしいですね」
せいろなら、宴会料理も気負わず簡単に挑戦できる。
スペアリブとれんこんの豆豉蒸し
力強いスペアリブと野趣あふれるれんこんに豆豉の風味が絡む、まさに主役級の一皿。肉汁まで余さずいただくため、蒸した花巻などを添えて。
【材料(4人分)】
豚スペアリブ500g
A[豆豉(刻む)大さじ2 しょうゆ、紹興酒各大さじ2 オイスターソース大さじ1 しょうが、にんにくのみじん切り各1かけ分 赤唐辛子の小口切り1本分]
れんこん300g
片栗粉大さじ2
【作り方】
1.保存袋にAの材料を混ぜ、スペアリブを入れて30分以上漬ける。れんこんは乱切りにする。
2.スペアリブの汁気をきり、片栗粉をまぶして耐熱皿に並べる。漬け汁を絡めたれんこんを共に並べる。
3.蒸気の上がった蒸し器に入れ、30分蒸す。
ゆでイカのねぎ塩和え
火を通しすぎないことが、イカを柔らかく仕上げる最大のコツ。メインの料理が淡泊な味付けなら、練りごまで和えても美味。
【材料(4人分)】
イカ2杯
長ねぎ10cm分
酒大さじ2
塩小さじ1/4
ごま油小さじ1
レモン汁大さじ1
いりごま少々
【作り方】
1.イカの胴は1cm幅の輪切りにする。ゲソは食べやすく切る。鍋にたっぷりの湯を沸かし、酒、イカを入れたらすぐに火を止め、余熱で30秒ほどゆでてざるにあげる。長ねぎは白髪ねぎにする。
2.ボウルに塩、ごま油、レモン汁を混ぜてイカ、長ねぎ、いりごまを加え混ぜる。
ピータンとアボカドの白和え
豆腐を手で崩したラフな和え衣と、大きめに切ったピータンとアボカドが好相性。ザーサイの塩気が程よいアクセントとなり、お酒が進む!
【材料(4人分)】
絹ごし豆腐1丁
ピータン1個
アボカド1個
香菜4茎 ザーサイ20g
しょうゆ小さじ2
ごま油小さじ1
【作り方】
1.豆腐はペーパータオルで包み器にのせ、電子レンジ(600W)で4分加熱する。バットなどをのせて重しをし、15分以上置いてしっかり水切りする。
2.ピータン、アボカドは2cm角に切る。香菜、ザーサイはみじん切りにする。
3.ボウルに豆腐を握りつぶして入れ、すべての材料を加え混ぜる。
いろいろ野菜の花椒漬け
来客の前日から作っておける、中華風のお漬物。花椒の鮮烈な香りとポリポリ楽しい歯ざわりが後をひく。常備菜としても活躍間違いなし。
【材料(作りやすい分量)】
大根10cm分
きゅうり1本
セロリ(茎)1本
にんじん1本
漬け汁[花椒大さじ1 赤唐辛子1本 しょうゆ1/4カップ 黒酢、紹興酒各1/2カップ 砂糖大さじ2 塩少々]
【作り方】
1.漬け汁の材料を鍋に入れ、一度沸騰させて火を止めて粗熱をとる。
2.大根、きゅうり、にんじん、セロリは、8mm角4cm長さに切る。大根、きゅうりに塩(分量外)をふり、15分ほど置いて水気をきる。
3.漬け汁を保存袋に入れ、すべての野菜を入れて30分以上漬ける。
『クロワッサン』1031号より