料理の負担を減らす!料理家の段取り。
撮影・黒川ひろみ 文・石川理恵
IHコンロの卓上調理で洗い物を減らす。
有賀 薫(ありが・かおる)さん
スープ作家。365日、スープを作る。著書に『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス)ほか。
洗い物の負担を減らすために、わが家で活躍しているのはIHコンロです。リフォームの際、ダイニングテーブルの上に設置したところ、とても便利。煮物やスープをIHコンロで温めつつサーブしたり、フライパンで野菜、ソーセージを焼いてつまみにしたりと、盛り皿を使わずにすんでいます。
また、同時に設置した食洗機は、すでに使っている人たちから「量が入らないとかえって不便」と聞いていたので、大容量をチョイス。おかげで今では食器洗いはすべて食洗機任せに。そのほか、汚れやすい道具は大量に用意。たとえばふきんはたくさん枚数を揃えてまとめ洗いするなど、洗い物の頻度を下げてストレスを軽減します。
肉や魚は、トレイのままで下味をつける。
吉田 愛(よしだ・あい)さん
料理研究家。料理家アシスタント、日本料理店での修業を経て独立。和食料理の講師も務める。
食事を終えて、いざ後片づけをするときに、シンクに洗い物が残っていると憂鬱な気持ちに……。だから調理に使ったものは、食事の前には洗い終えているよう、小さな対策を積み重ねています。
たとえば、包丁、まな板は使わず、キッチンばさみで切りながら鍋やフライパンに直接入れる。ボウルなどの洗い物が増えないように、肉や魚は買ってきたトレイの中で下味をつける、などです。また、鍋やフライパンを使うときは汚れが少ない調理を先にし、サッとすすいだりしながら同じものを使い回しています。そうしてレンジで加熱中などのすき間時間に洗い物をしておけば、シンクに洗い物をため込むことはありません。
フライパンは、熱いうちに洗う! 汚れはすぐ拭く!
瀬尾幸子(せお・ゆきこ)さん
料理家。家庭ごはんに役立つアイデアを提案。『賢い冷蔵庫』(NHK出版)ほか著書多数。
油汚れは、冷えて固まるほどに落としにくくなるもの。とにかく「熱いうちに落とす」のが最良の方法です。フライパンは、調理後にサッと洗うのがベスト。コンロ周りや調理台の汚れも、ついてすぐが一番落としやすいので、調理中にこまめに拭くのが、結果としてラクなんです。また、油汚れは「それ以上広げない」ことも大切。食器洗いは、油汚れとそうでないものを分け、油がついてない食器から洗いはじめます。
台所の掃除などは、ピカピカの100点を目指すとつい後まわしになって、結果、30点のあまりきれいじゃない状態で過ごすことになりがち。70点を保つぐらいの気持ちで、要領よくすませています。
『クロワッサン』1026号より
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