凄まじい天才エピソード乱発! Netflix『天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する』。【エディターのおうち時間】
文 クロワッサンオンライン
昔、360度誰もいないオーストラリアの荒野を一人でドライブしていたとき、突然、それまで抱えていた悩みが吹き飛んだことがあります。人は雄大すぎる景色を前にすると「地球はあまりにも大きい→私は本当に小さい→私の悩みなんて塵のようなもの」という思考ステップを踏むのかもしれません。
Netflixの『天才の頭の中:ビル・ゲイツを解読する』を観たあとの気持ちも、ちょっとこの荒野のドライブに似ていました。「ビル・ゲイツがあまりにも天才すぎる→私は本当に小さい→私の悩みなんて塵のようなもの」という感じ。
とにかく、ビル・ゲイツの天才エピソードがすごい。たとえば、「中2から高3まで数学の成績がワシントン州でトップだった」「本を1時間で150ページ読んで90%を覚えている」「社員の車のナンバーを暗記しているので駐車場を見れば誰が出勤しているかわかる」などなど。
コンピュータに革命を起こしたビル・ゲイツの頭の中がまさにコンピュータそのものだったんですね…!
しかし、彼の天才っぷりは単なる圧倒的な秀才という点に限定されません。
2008年にマイクロソフトの第一線から退いたあとは、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団で慈善活動に携わっているビルですが、とにかく解決したい課題のスケールが大きい。「世界の子どもを平等にしたい」「地球温暖化をストップしたい」など、一代ではとても無理であろう、地球規模の課題ばかりです。しかも、それを実現しようと本気で取り組み、どんどん行動に移す。
数学の天才で、視座が高く、行動力もある。
いや、本当に、ビル・ゲイツがあまりにも天才すぎる……私は本当に小さい……私の悩みなんて塵のようなもの……。
個人的には、そんな天才が、コーラやハンバーガーが大好きだったり、メガネを噛む癖がやめられないなど、意外な隙も見せてくれたのも興味深かったです。そして愛妻家!
小さいことでうじうじしているときに観ると、何かがふっきれるかもしれませんよ。 (のぐぽん)
のぐぽん
『クロワッサン オンライン』ディレクター。戦国武将から昭和の名建築まで、ちょっと昔のものにときめきがち。美しい映像とキザなセリフが多い映画が好き。最後にガッツポーズするようなハッピーエンドよりは、「あのラストの意味は…?」と考えこんでしまうタイプの作品に弱い。ネットフリックスでは最近ドキュメンタリーを色々漁り中。スパイものへの関心も高まっております。