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「女友達と笑い合う」ことで養われる
ともさかりえさんのバランス感覚。

エイジレスに輝く女性に、生き方のヒントを聞くインタビューシリーズ。第2回目は、ゆったりとした空気をまといながら、ブレることなく自分らしいスタイルを持ち続けている、女優のともさかりえさんです。

ともさかりえさん。女優。12歳のときにCMで芸能界デビュー。ドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ)で脚光を浴びる。主な出演作に映画『ちょんまげぷりん』『100回泣くこと』、舞台『鎌塚氏、振り下ろす』『虹とマーブル』などがある。

ともさかりえさん。女優。12歳のときにCMで芸能界デビュー。ドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ)で脚光を浴びる。主な出演作に映画『ちょんまげぷりん』『100回泣くこと』、舞台『鎌塚氏、振り下ろす』『虹とマーブル』などがある。

 

「あれっ、もうこんな時間?」。夕暮れどきにこのセリフを口にする女性は、少なくないことでしょう。忙しくしているうちに1日が終わり、1年が終わる。これが“年を取る”ということ……?

限られた時間の中で、仕事や家事や育児を、自分に合格点を与えられるぐらいのレベルでこなすには、バランス感覚が求められます。では、その感覚はどうすれば身につけられるのでしょうか。

ともさかさんに、バランス感覚を養う秘訣を伺いました。

家の玄関を出ると「女優の私」に。

「私は、わりと比重が傾きやすいタイプなんです。独身で、自分だけの自由な時間の中で生きていた頃は、仕事と私生活の境い目などなくて、地続きであることに何も疑問を抱いていませんでした。家に帰っても、『今日の撮影のあのシーンは……』と悶々と思い返してみたり」

芸能界デビューが12歳と早かったともさかさんにとっては、それが当たり前の世界だったのかもしれない。転機となったのは、出産。

「出産直後は育児に物理的に手がかかるので、家で仕事のことを考える暇なんてなくなりました。また逆に、外に出れば頭の中は仕事のことだけ。“家の玄関”が、切り替えのスイッチになっていますね」

母として女優として奮闘しながら、いつの間にかバランスを図れるようになっていた、と言うともさかさん。やはり、女の人生には何かを劇的に変化させる魔法などないらしい。日々の積み重ねから、どうにか自分らしいやり方を覚えていく……。

「振り返ってみると、息子がまだ小さい頃は、『やっぱり母乳じゃないと』『市販の離乳食ではダメ』とあれこれ思い込んでいました。私、きっと毎日、すごい形相をしていたはず。

でも今となっては、適当な部分があってもいいと思えるようになりました。おかずの作り置きは、できるときだけ。無理はしない! それに息子は、実は手の込んだものより単純なおかずのほうが好きみたい。母親の思いの一方通行……。意外とそういうものですよね(笑)」

子どもの成長とともに、ちょっとずつ、自分の時間を持てる余裕も出てきた。

「家の玄関で仕事のスイッチはオフ……といっても、そうスムーズにはいかない日もあります。そんなときは帰りに一人で行き慣れたお店に寄って、『2杯だけ』と決めてお酒を飲んだり。仕事のモヤモヤを中途半端に抱えたまま帰って家事をしても、うまくいかないんです。だったら、帰宅を2時間遅らせてでもリフレッシュして、笑顔で家族と向き合えるほうがいいんじゃないか、ということに気づきました。

最近は、“朝映画”にもはまっています。息子を学校に送り出したら、朝、一人で映画館へ行くんです。今どきはすぐにDVDで観られる時代だからこそ、映画館で観るって、とてもぜいたくな時間ですよね」

30代からの支えは、女友達。

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今年、36歳になったともさかさん。出産、結婚を経て、これまでの30代を支えてきてくれたものの一つに、女友達の存在がある。料理研究家・行正り香さんとの共著であるビジュアルエッセイ『オトナ時間。オンナ時間』から、2人の友情の深さをうかがい知ることができる。

「り香ちゃんは、ちょうど同じ時期に同世代の子を育てていたこともあって、ずっと支え合ってきた感じです。私に『料理なんて適当でいいんだよ!』と教えてくれたのも、り香ちゃんでした。

り香ちゃんとは、食に限らず、あらゆる好みがよく似ているんです。たとえば誕生日プレゼントにしても、旦那さんには申し訳ないけれど、女友達のほうが、『そう、これ!』と嬉しくなるような贈り物をくれたりしませんか?」

異性は、自分と違う部分があるからこそ一緒にいておもしろい。一方の女友達のおもしろさは、圧倒的な“シンパシー”にある。

「ボーイフレンドに向かって『私のこと、わかって!』と必死に訴えていた頃もありました。でも男の人って、私の欲しい言葉は言ってくれないものなんだと、大人になって気づきました。期待しないと笑って過ごせるようになるんです(笑)。

女友達とは、食事に出かけることもあれば、家に集まって一緒に料理をしたり。弱音を吐くこともあるし、ただワインを飲んで笑い合うだけの日もあります。ついこの前は、『下着っていつ買い替える?』という話題になって。『下着って大事じゃない? 私たち、女を忘れていない?』と盛り上がって、一緒に下着売り場まで行ってみたんですよ。デコラティブな下着に圧倒されて、結局、買わずに帰ってきてしまったんですけど(笑)」

女の人生は長く続くもの。40歳とてまだ「折り返し地点」とは言いがたい。そこに伴走してくれる女友達がいてくれると心強い。

「まだ子どもも家族旅行に付き合ってくれるけど、うちは男の子だから、それももうカウントダウンは始まっているのかな……。そう考えると、今という時間はとても貴重だから、なるべくそばにいてあげたいと思っています。

子どもとの時間が一段落したら、女友達と長期旅行をしてみるのもいいですね。集まったとき、『あんなところやこんなところへ行ってみたい!』といつも話しているんです。そうやって想像すると、これから年齢を重ねることが楽しみになってきました」

 

【Information】

『オトナ時間。オンナ時間』1300円(税別)
ともさかりえさん、行正り香さんによるビジュアルエッセイが発売中!

『オトナ時間。オンナ時間』

RIE TOMOSAKA | official web site
http://www.itoh-c.com/tomosaka/

行正り香オフィシャルサイト
http://fooddays.jp/

写真・小笠原真紀 文・藤島由希

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