「親子は一世、夫婦は二世、主従は三世。昔の日本人は、そう言ったんですよね。つまり、親子は今生限りの関係だけど、夫婦は来世でも一緒になれるかもしれないってことです」
夫婦の話を聞きたいんです、そう伝えて兵庫県・神戸に住む脚本家夫婦、木皿泉の二人の自宅を訪ねると、開口一番、妻の妻鹿年季子(めがときこ)さんがそう言った。夫の和泉務(いずみつとむ)さんが続ける。
「夫婦はそれだけ縁が深いってこと。でも、わざわざ他人同士がこれだけ一緒にいるっていうのは、考えてみればおそろしく不思議な話ですよ」
お互いをトムちゃん、トキちゃんと呼び合う二人は、共同で脚本を手がけるというスタイルで、数々のドラマを世に送り出してきた。仕事の浮き沈みや突然の病気、介護と、これまで歩んできた道は決して平坦ではない。