閉め切りがちな冬、いつも以上に靴箱やクローゼットがジメジメ。【プロが答える冬の掃除術】
できるだけラクに清潔に保つための方法を住生活ジャーナリストの藤原千秋さんとナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさんにに聞いた。
イラストレーション・ヤマグチ カヨ 文・小沢緑子
[冬の困った!]閉め切りがちな冬、いつも以上に靴箱やクローゼットがジメジメ。
靴箱やクローゼットの掃除は、普段から水を使わず掃除機などでホコリを取っていればカビは生えにくいが、
「汚れを取らないまま、乾燥させずに湿ったままの靴や布団を収納してしまうと湿気がこもり、カビが発生する原因になります。カビは(1)水分(2)エサとなる栄養源の汚れ (3)20度以上の温度の3つの条件が揃うと繁殖します。暖房で室温が高くなる冬も例外ではありません」(本橋さん)
解決策は、換気の際に靴箱やクローゼットを開けて通気をよくすること。
「外出する前に靴箱やクローゼットの扉を開けてそのまま出かける程度でも。それだけでずいぶんと予防になります」
ちなみに家の中のカビは浴室に生えたカビの胞子が室内を浮遊し、それがもとで発生することが多いという。
「浴室のカビ予防対策を徹底させることも、家の中からカビを追い出すためには大切です」
掃除をはじめとする家事の困りごとで、今の時季、一番のキーとなるのは寒さ、と住生活ジャーナリストの藤原千秋さん。
「窓を閉め切りがちな分、家の中にホコリや余分な湿気がたまりさまざまな問題が起こります。また寒いと単純に掃除が億劫になる問題も(笑)」
ただ掃除の常識は変化している。
「掃除機は窓を開けっ放しでかけなくてもいい。窓を閉めて暖房をつけたままのほうが体は動くし、あとからしっかり換気をしたほうが効率的にホコリを追い出せます」(藤原さん)
この冬は掃除をする際に消毒が気になるかもしれないが、ナイーブにならないように、というのはナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさん。
「家庭内は不特定多数の人が出入りする環境ではないので、消毒をしたほうがいいケースはそう多くない。通常のホコリや汚れを取り除く掃除をするだけで、菌の数は減ります。日常の掃除をこまめにすることが先決です」
『クロワッサン』1034号より