くらし

難しくてやさしいのが卵料理なんだ――豊田譲治(ホテル・グランドパレス調理課長)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、西洋料理のプロから卵料理の基本を教わりましょう。
  • 文・澁川祐子
1978年7月25日号「野菜と卵を見直す」より

難しくてやさしいのが卵料理なんだ――豊田譲治(ホテル・グランドパレス調理課長)

マンネリになりがちな卵料理や、単なる添えものになりがちな野菜料理をちょっと工夫して、いつもとは違う満足感のある一品をつくろうという提案。とくに卵料理は16種ものレシピが並び、「アンダルシア風卵」など変わった名前のものや、ちょっと手の込んだ「巣ごもり卵」など、眺めているだけで楽しい気分になります。

ちなみに「アンダルシア風卵」は、賽の目に切って炒めた青、赤のピーマンとトマトで目玉焼きを囲むように盛りつけたカラフルな一品。「巣もごり卵」は、細切りにした野菜の中央に卵を割り落としてつくるのが一般的ですが、このレシピでは、ツノが立つまで泡立てた卵白に卵黄を落とします。それをオーブンで10分焼き、粉チーズと生クリームをかけてできあがりです。

簡単なものから手間のかかるものまで紹介しつつ、さらにコラムでプロが卵料理の基本を伝授。その一部を紹介すると、

・ゆで卵は、熱湯でゆでる。ヒビが入らないようにするコツは、卵を室温に戻しておくこと、入れるときに玉杓子を使うこと。

・目玉焼きは、油をひいて熱したフライパンに、十分冷やした卵を入れるのがポイント。水を入れて蓋をする前に、塩を少しふると、黄身に光沢が出てきれいな仕上がりに。

・ポーチドエッグは、湯に酢と塩を少々加える。卵を落とすときは、直接割り入れずにボールなどにいったん割ってから、弱火にして入れるのが鉄則。

たしかにむずかしいことはしていませんが、ほんの少しの配慮が必要。だから卵料理は「難しくてやさしい」のだと納得です。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE