【試して納得】深みのある色と柔らかな表情。物語を感じる「やきものアクセサリー」。
撮影・黒川ひろみ 文・板倉ミキコ
手仕事の味わいが感じられるものに目がない私。今年、正月旅行で訪れたタイ・チェンマイでは、山間民族の女性たちが、藍染めの糸を使って麻の布に一目一目、まるで宇宙のような幾何学模様を刺し子で仕上げた上着に心奪われました。袖口や裾の処理まで手縫いでピシッと始末された一枚…。買わない理由が見つかりませんでした。
今回ご紹介するアクセサリーは、山間民族の女性たちに引けを取らない、日本の職人さんの丁寧な仕事ぶりと、若手陶芸作家さんの感性が見事に融合した逸品です。
プロデュースしているのは、岐阜県美濃地方にある美濃焼タイルの老舗。美濃焼と聞いてピンときた方はやきもの通、でしょう。志野焼、織部焼など茶器の名品を生み出し、日常使いの食器類は全国一の生産量を誇る、歴史ある陶磁器の産地です。やきものを作る技術が長年継承されてきたこの地で、もう一つ有名なのが美濃焼タイル。大正時代から昭和初期、モダンで清潔な家を望む人たちに大人気となり、外壁やキッチン、お風呂場、トイレに使われだしたのが始まりと言われています。
ちょっと前置きが長くなりましたが、その美濃焼タイルの老舗が、タイルの魅力をもっと身近に感じてもらおうと、5年前に立ち上げたブランドのアクセサリーが今回の主役です。個人的に心を奪われた一番の理由は、釉薬が醸す華やかで深みのあるなんともいえない色。これまで、建物に彩りと華やぎを与えてきたタイルの真骨頂ではないでしょうか。そこに、陶芸作家さんが描いたデザインがさらに味わいと表情をプラス。植物や動物などがモチーフとなったアクセサリーを並べると、そこから物語が生まれそうなほど詩情があります。
写真でもじっくりご覧ください。ひとつひとつ、本当に小さなピアスに至るまで、丁寧な職人の作業が施されているんです。花芯を表す金彩銀彩、鳥の羽の微妙なグラデーションなど、やきものの繊細で上品な色合いによって、他の素材にはない柔らかさが生まれるのかも。ピアスやイヤリングはとても軽く、本来のタイルの堅牢さや耐久性などの技術の高さも窺わせます。
一人の作家さんがデザインしているのに、ラブリーな動物モチーフから大人好みのシックなもの、エレガントなデザインなど幅広いテイストが揃うので、選ぶ楽しみが増えるはずです。小指の爪ほどのピアスでも存在感は十分。でも、どんなファッションにも合わせやすいバランス感覚も持っています。
心が華やいでくる春のおしゃれ。人とちょっと違うアクセサリーをつけて、自分らしさを表現してみませんか。(ライター Mikiko)
<商品概要>
■商品名:まれもの やきものブローチ(税込 2,916円~)
■商品名:まれもの やきものピアス(税込 2,916円~)
■商品名:まれもの やきものイヤリング(税込 2,916円~)
■販売:クロワッサンの店
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