【 個人型確定拠出年金(iDeCo)】初めて資産運用をするなら、長期・積立・分散が揃ったこれで。
イラストレーション・レモン・フー 文・斎藤理子
「ただ、60歳まで引き出せない点と、口座維持に意外と手数料がかかるのがデメリットで、ちょっと“重たい”制度だといえます。自分が毎月掛けられる額はいくらなのか、60歳までそれを払い続けられるのかという点を熟考する必要があります。そういうことも含め、iDeCoを始めるのは45歳がひとつの目安になります」
45歳になれば老後も否応なく視野に入ってくるし、15年後に引き出せるのであれば続けられる可能性も高まる。30代くらいまでは〈つみたてNISA〉で投資の感覚を養い資産を形成し、45歳になったら全力でiDeCoをやって老後に備えるという方法もある。〈つみたてNISA〉との併用も可能。
知っておきたい注意点
(1)60歳までは引き出せない
積み立てた資産は60歳になるまで引き出せない。途中解約も原則不可。加入期間が10年以上必要で、10年に満たない場合は受給可能年齢が期間に応じて繰り下げられる。
(2)口座の維持に手数料がかかる
口座開設時に2,777円〜、年間手数料に毎年2,004円〜(毎月拠出の場合)かかる。金融機関によりさらに費用がかかることも。減税効果や利益が手数料を上回らないと損をすることに。
(3)元本割れの可能性もある
運用商品の中には元本が確保されないものもある。元本確保型と価格変動型を組み合わせて購入してもよい。運用なので、受取額は運用成績で変動することを理解しておくこと。
風呂内亜矢(ふろうち・あや)●1級ファイナンシャル・プランニング技能士。新聞系オンラインの連載や、雑誌、TV、講演などでも活躍中。最新刊『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)など著書多数。
出典:『ほったらかしでもなぜか貯まる!』風呂内亜矢著(主婦の友社) 参考:金融庁ホームページ https://www.fsa.go.jp
『クロワッサン』990号より
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