くらし

【後編】猫沢エミさんの「パンがある朝の食卓」。食べたいものは身体に訊く、 海苔たまサンドか苺タルティーヌか。

  • 撮影・三東サイ

日本らしさを残しつつ、本場を 凌ぐブーランジェリーが誕生。

割田さんと店の外にしつらえたベンチで。オーブンから取り出したカンパーニュはスライスしての量り売り(140円100g)。
ビーバーブレッド 東京都中央区東日本橋3-4-3 TEL.03-6661-7145 営業時間 8時〜18時 月曜休、火曜不定休 FacebookやInstagramで確認を。@beaver. bread

ところで、彼女が暮らす下町界隈に『ビーバーブレッド』という店が昨年11月にできた。いわゆる西洋系のパン屋さんが少ない地域だったのでうれしくて、よく通っているという。そこで、一緒に店を訪れ、プロデューサーの割田健一さんに話を聞いた。

「食に対して保守的な地域かと思いきや、そんなことはなく、おいしいものに対して貪欲なんです。江戸スピリッツなんですかね。量り売りをする大きなカンパーニュが初日に3台も売れて、ああ、こういう町なんだなって」

こぢんまりした店内にはスケートボードやレコードなどが置かれていて、

「ナチュラルテイストの店にところどころ、ちょっとおかしいでしょ。私が初めてここに来たとき、思わず割田さんに声をかけたのも、壁に書かれた、F.‌I.‌BJOURNALの山崎円城さんの詩を見つけたからなんです。私、ビートニク文学もストリートカルチャーも大好きなので」(猫沢さん)

「自分が中高校生だったころの青春の感じですかね。遊んでる感を出したくて」(割田さん)

なにしろ、社員5名に対してアルバイトが13名。

「ほかでいろんな仕事をしてる子が週に1、2日だけやってくるんです。パン職人だけを集めるより、いい刺激をもらえている気がします」(割田さん)

自由な雰囲気はパンにも。あんパンやクリームパンなど、いわゆる町のパン屋さん的な商品にも、ひとひねりが加えられていて思わず顔がほころぶ。

端正なたたずまいの角食パンは1本800円(1斤なら400円)。
リコッタチーズがブレンドされたクリームパン(250円)。“ありきたり”に終わらせないところがさすが。
レモンの風味がさわやかな、品のいいメロンパン(240円)。
人気の国産バゲットはやや太め(300円)。食事によく合うと評判。
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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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