【お詫び編】シーン別で考える、失敗が許されない大切な手紙の書き方〈文例集〉。
文・石飛カノ
【お詫び・親戚に】自分の非を素直に認めてお詫びする。言い訳は厳禁です。
「手紙でお詫びをするときは、言い訳や開き直りは厳禁です。本心からお詫びしたいという真意を素直に伝えることが何より大事。仕方がなかった、悪気はなかった、などの言葉はこちらにその気がなくても言い訳ととられてしまいます」
たとえばお酒の席で失言してしまったときは、酔っていたことを言い訳にしない。とくにビジネスシーンでは、これは完全にアウト。
ちなみに、お詫び状の際のNGワードは「失礼しました」。相手からすると軽くあしらわれたような印象を持たれやすい。「お詫びしたいと思います」もNG。「〜したい」という曖昧な表現ではなく、「お詫びします」とはっきり言い切ること。
《いつもの手紙》
1. 手紙が届くタイミングがいつになるかは特定できないので、「先日」くらいの表現にする。
2. 言い訳がましい表現はあまり親しくない人に対してはNG。親戚でも相手が笑って大目に見てくれる人ならばかろうじてOK。
3. 相手に対するお詫びの気持ちを伝える手紙なので、故人への言及はあえてする必要はない。
4. 過去のわだかまりをなかったことにして「水に流す」のは、あくまで相手。自分ではありません。
《できる大人の手紙》
1. 本心ではなかったことをストレートに伝えるのも、ひとつの方法。
2. 言葉だけではなく具体的な態度で反省の意を示す。お酒の勢いでの失言ならば禁酒、仕事の失態なら仕事に励む意向を伝える。
むらかみ かずこ ●手紙文化振興協会代表理事。企業・自治体向けの研修や一般向け講座で手紙の書き方を幅広く指導。『できる大人の“一筆添える”技術』(中経の文庫)など著書多数。
『クロワッサン』975号より