テレビの通販番組じゃありませんが「あくまで個人の見解です」とつけ足したいところです。例えば“着物を着て”と“座布団に座った”という条件。演者によっても、お客さまによっても意見の分かれることがあります。実際わが業界の大看板・柳家花緑師匠は、洋服姿で椅子に座り“現代の人による現代の落語”を演じておいでです。演者と観客に「これは落語だ」と共通した思いが生まれればいいのですね。ただし、この姿で江戸や明治の落語の世界はちょっと演じにくい。あべこべに“着物で座布団”は、江戸でも現代でも未来でも、お客様も不思議とすんなり受け入れてくださることが多いのです。
さあ、それでは次回はその落語をナマでお楽しみいただける「寄席」という場所へご案内いたしましょう。「きょうも落語日和」にまた一歩、近づけるはずですよ。