【ミスミノリコさんのお針箱】穴があいてもシミができても、「繕う」ことでもっと好きになる。
愛着のあるものを無理に捨てることはありません。ミスミさんをお手本に、自由なセンスと簡単な技術で繕ってみませんか?
撮影・小出和弘 文・後藤真子
ほんの少しの手間と工夫で、愛用のものを繕う3つの方法。
ブラウスやニットといったお気に入りの洋服に穴があいたり、シミがついたりしたときのリペアのアイデアを、ミスミさんに教えてもらった。
まずは、パンツなどの布製の服に、引っかけて破れたような、大きめの穴があいた場合。単純に穴を縫い合わせると、布地に引きつりができやすく、縫った跡が目立ってしまう。
「裏からあて布をして、刺繡のステッチで縫いつけます」とミスミさん。あて布を使えば、服の形をくずさずに穴をふさぐことができる。カラフルな糸で模様を縫いつければ、穴は模様の一部として生かされる。いい意味で目立たせてしまえという逆転の発想だ。
ニットに穴があいた場合は、パンチングニードルという手法が最適。ニットの表面に、専用のニードルで羊毛をくっつけていくやり方で、道具さえあれば、とても簡単。ふわふわの羊毛で、穴はすっかり覆われる。
ブラウスなどの布製品にシミがついた場合にも、刺繡糸が大活躍。今回は、チェーンステッチで片方のシミの輪郭をなぞり、もう片方はなみ縫いによってまぎれさせる方法を紹介。
「刺繡の形やステッチの種類は、シミの大きさや形状、自分の好みによって、自由にデザインすると楽しいですよ」
布製品にあいた穴はあて布、なみ縫い、巻きかがり。
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