専門家に聞く、スマホカメラの特性とすぐできる効果絶大の撮影術。
撮影・黒田智之 文・河野友紀 イラストレーション・mollydomon
1. ピントと明るさは、撮影前に指先を使い画面タッチで簡単調整。
普通のカメラではシャッターボタンの半押しなどでピントを合わせるが、スマホでは指先ひとつでできてしまう。これを〈タッチフォーカス〉という。
「〈タッチフォーカス〉こそ、スマホカメラの最大の長所。液晶画面を見て、ピントを合わせたいところをタッチするだけ。焦点が合うだけでなく、被写体をきれいに見せる明度に、明るさを自動調整してくれます」
さらに、自分の好きな明るさに露出を補正するのも簡単。
「機種によって方法は異なりますが、iPhoneやAQUOSでは指先を液晶に置き上下にすべらせると、露出補正バー(下左イラスト)が出ます」
この方法を覚えれば、上のお手本のような夕景を撮るのもむずかしくない。撮影後に調整もできるが、事前に合わせておくほうが画質はきれい。ぜひひと手間かけてみよう。
ピントは、合わせたい場所をタッチする。
被写体にレンズを向けると、液晶に画像が写る。このとき、なにもしないと中央にピントがきているが、もっと上下や左右など、ピントを合わせたい場所が別にあれば、そこを指先でタッチ! するとタッチした場所に焦点が合い、適した明るさに自動で調整もしてくれる。
【ピントを合わせる前】
カメラを構えただけの状態。スマホのカメラが自動的にセンターにピントと明るさを決めて、写し出された画像がこちら。
【手前にピントを設定】
画面手前のうさぎの人形を指でタッチした状態。後ろのうさぎや時計など、背景のボケ味が増しているのがわかる。
【背景にピントを設定】
後ろの時計部分をタッチすると、そこにピントが合い、手前にあるうさぎがボケる。すべて指先タッチのみでできる技。
被写体に合わせ、明るさも変えられる。
撮りたい被写体が影になっている、あるいは部屋自体が暗い場合、液晶画面で被写体をタッチすると、きちんと見える明るさに自動で調整してくれる。iPhoneやAQUOSの露出補正バーでは、ピントを合わせた上で明るさを調節できるので、より狙った明度に仕上げやすい。
【被写体が暗い状態】
光が入らない室内や逆光では、普通にカメラを構えると被写体が暗くなってしまう。
【暗い部分をタッチ】
右上の画面で最も暗い植木鉢の部分をタッチすると、カメラがそこに合わせて明るさを調整。明度が上がる。
【露出補正バーで微調整】
明るさのスケール調整機能がある機種では、指先で画面を上下に動かすと、好みの明度にできる。