【リフォームのヒント】親の好みを汲み取りながら使い勝手の良い二世帯住居に改築。
撮影・徳永 彩(kiki) 文・板倉ミキコ
【2階】自分たちの希望と、建物の制約との折り合いを上手につけて。
むらきさんと夫、長女の3人が暮らす2階は、夫婦の好みを遺憾なく反映。
「たくさんの雑誌を参考に、事前に島崎さんと自分たちの好みを共有していたので、提案してくれる建材や什器など、すべてが納得いくものでした」
とはいえ、リフォームには構造上の制約がつきものとなる。
「リビングダイニングの中に、外せない柱が出てしまったのですが、逆にその柱を利用して、オリジナルでダイニングテーブルを作りつけてしまう案には驚きました。柱を棚のように使い、そのほかの柱もグレーに塗ったことで、部屋のアクセントにもなりましたね」
想定外にかかってくるコストと折り合いをつけていくのも必要なこと。
「あれもこれも、は到底無理(笑)。優先順位をつけてそぎ落としていった結果、良い形になった気も。建築士さんと密にコミュニケーションを取れたのが、成功の理由だと思っています」
外せない柱を使って、ダイニングテーブルのアクセントに。
構造上外せなかった柱を利用し、ダイニングテーブルを作製。床に使った木材を、テーブルにも使用することで統一感が生まれ、コスト削減にもつながった。
サニタリーからキッチンは一直線につながって。
むらきさんの発案で、サニタリーからパントリー、キッチンへは一直線につながっている。「キッチンをメインに家事の動線を確保しました。洗濯してバルコニーに行く時などもとてもスムーズです」
小さなスペースを有効活用。夫の希望の書斎も確保。
「キッチンには私が書き物をする空間も作ったので、夫用のプライベートスペースとして書斎を作りました。窓もなくて小さいですが、カメラやDVDなど、趣味のものに囲まれてとても落ち着くようです」
玄関は共用にして、空間の無駄遣いをなくす。
玄関スペースは両親と共用。吹き抜けになっていて開放的。「玄関を別にするとかえって使い勝手が悪そうに感じたのと、将来的に誰かに貸すことになった時も、貸しづらいだろうと思ったので」
設計●株式会社サオビ 島崎衛さん まずは施主の要望を引き出すことを大切に捉え、新しい住まい方を提案。リノベーションを得意とするほか、狭小・二世帯住宅・スキップフロアと多彩に住宅設計を手がける。http://sa-obi.com/
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