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夢のリフォームプランを建築家が描いてくれました。【LDK編】

狭い、暗い、寛げない……。間取りや空間で悩みを抱える読者に建築家が応えます。

撮影・岡本 潔 文・一澤ひらり イラストレーション・大塚泰子

引っ越したいと思ってたけど、いい場所に住んでたんですね。

そんなリフォームプランを踏まえて、大塚さんが描いたLDKのイメージイラストを見た今西さん、
「信じられません。あの和室がこんなにモダンで素敵なLDKになるなんて! 私の思い描いたものがそのままこのイラストにある感じなんです。引っ越すことばかりを考えていましたけど、もしかしてすごくラッキーなところに住んでいたのかもって思い直しています」
と感激ひとしお。

日当たりのいい南の窓際にダイニングテーブルを配置。 快適で居心地いい場所にダイニングテーブルを置けば…

日当たりのいい南の窓際にダイニングテーブルを配置。
快適で居心地いい場所にダイニングテーブルを置けば、自然に家族が集まる。ダイニング中心のライフスタイルに。

ルーバーを設ければ小さな庭園に変身する。
マンションに囲まれて人目が気になるベランダ。目隠しになるルーバーを設置すれば、庭の緑でリラックスできる。

壁面収納にすれば家電も食器も収まる。
窓を開けると眼前にマンションがあるため、日中でも薄暗い。テーブルを低くして床に座って食事するのも不便。

LDKに作り直す上での問題点

ただし、LDKに作り直す上でちょっとした問題がある。和室とリビングには段差があり天井の高さにも違いがあるのだ。
「今は段差をフラットにするために床下で調整するのですが、昔は床を上げていたんですね。ですから畳を敷くための下地と畳の厚みで、和室はリビングより床が高くなっています。この場合はリビングの床を上げて段差をなくすことが必要になるんです。天井の高さも揃えることができますが、LDKが大空間になるので天井高の違いをアクセントにしたほうが面白いと思いますね。照明もペンダントライトにすると空間に変化をつけられます。空間を遊ぶと住まいが豊かに感じられるんです」
とアドバイスする大塚さん。

問題なのは和室とリビングの壁と天井。テイストがまるで違うことだ。
「お金をかけるかかけないかで、やり方が変わってきます。お金をかけないで統一感を持たせたいなら、壁や柱の上から白いペンキを塗るという手があります。全体を白い空間にしてから、インテリアで統一感をもたせる。それでもいいのかなって思いますね」

気になるリフォーム予算は?

それにしてもここまで大掛かりにリフォームすると予算もかなりかかるのでは?とちょっと心配そうな表情の今西さん。
「アイランド型キッチンは工事費込みで100万円ぐらい。壁を壊したりする内装解体は50万円ほど。水回りをうまく持って来られれば配管工事が15万円ほど。フローリングの張り直しで30万円ほど。壁と天井は白くペンキを塗ればそんなにお金はかかりません。アバウトですけど300万円以内でできるんじゃないでしょうか。上を見たらキリがありませんけどね」(大塚さん)

ドラスティックに部屋が変わるわりには、意外と予算範囲内でリフォームできそうと安堵する今西さん。 「あ…

ドラスティックに部屋が変わるわりには、意外と予算範囲内でリフォームできそうと安堵する今西さん。
「あれもこれもと欲張らずに、いったんスペースの原型を作っておいて、あとはお金が溜まったら内装に手をかけていけばいいですよね。実家が工務店だし、私も建材メーカーに勤めていたのでコストを抑える工夫はできると思います」

上質のライフスタイルを手に入れる。リフォームは絶好のチャンスだ。

大塚泰子●建築家。ノアノア空間工房代表。「暮らしの豊かさを育てる建築」をテーマに住宅・店舗設計を手がける。著書に『小さな家のつくり方』(草思社)。

今西千登瀬●東京ファンライフ不動産代表。子育て住空間コンサルタントとして、住まいの相談や物件を紹介。

『クロワッサン』961号より

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