夢のリフォームプランを建築家が描いてくれました。【LDK編】
撮影・岡本 潔 文・一澤ひらり イラストレーション・大塚泰子
大塚さんが提案した今西家のリフォームプランとは?
そして大塚さんが提案した今西家のリフォームプランとは?
「和室とリビングの壁を取り払って、ワンルームのLDKにするのはどうでしょう? 15畳ぐらいの広さになって、開放的で明るくなります。ここにキッチンを置いても余裕がありますから、ダイニングテーブルも入れられます。それとは別にソファも置けてLDのエリア分けもきちんとできるようになるし、とても居心地のいい空間になると思いますよ」
そんな大塚さんのプランを聞いて、瞳を輝かせる今西さん。
「広いLDKは憧れでした! キッチンで家族の様子を見ながら料理をして、ダイニングテーブルに座ってみんなでごはんを食べられたらどんなにうれしいことか。今まで床に座って食べていたから(笑)」
「住まいは暮らしを豊かにするための場所ですから、憧れを実現できれば毎日が楽しくて充実しますよね」
アイランドキッチンをLDKの中心に据える。
アイランドキッチンをLDKの真ん中に設えればキッチンから見渡せて、料理をしながらみんなと会話も楽しめる。
狭小空間だったトイレがゆったり寛ぎの空間に。
LDKに移動して空いたキッチンスペースを一部トイレ空間に使えば、洗面台のスペースも充分広くなる。
どうすればこの夢を現実にできるのか?
早速、どうすればこの夢を現実にできるのかを検討していくことに。大塚さんが説明する。
「まず和室とリビングを一つのLDKの空間にします。真ん中にはアイランド型のキッチンを設置して、隣にダイニングテーブルを置いたらどうでしょう? 窓から陽光が射し込んで気持ちのいいところで食事ができるようになりますから、家族も自然と集まるようになるでしょうし、息子さんが小学生になったら、ここで宿題もできるようになりますね。それをキッチンで料理しながら、お母さんは見守ることができます」
アイランド型キッチンは回遊できて見渡せるので、家族がどこにいてもわかるし、調理しながら家族や来客とのコミュニケーションもとりやすくなる、と大塚さん。
「オープンスタイルだから友人が来たときには料理しながらおしゃべりできるし、キッチンに立つのが楽しくなる気がします。アイランド型キッチンって理想的ですよね」
とうれしそうな今西さん。しかし収納をどうするか?
「床の間のある壁一面を収納スペースにすれば家電や食器をきれいに収められて、見た目もスッキリします」
さらに大塚さんが注目したのが和室に面した小さな庭のある空間。祖父が残した植栽があり、今西さんの母親が気にかけて世話をする以外は、ふだんは放置されているという。
「2階に庭があるなんて素晴らしいですね。ここを手入れすると見違えるほど素敵になりますよ。グリーンは生活に潤いをもたらす大切な要素ですからね。ただ、マンションに囲まれていて視界があまりよくないので、ルーバーという目隠しになる塀をつけるといいと思います。光と風を通すので閉塞感がないし、プライベートな空間になるので、坪庭風の風情も演出できます。天気の良い日に窓を開け放すと気持ちいいと思いますよ」(大塚さん)
「今まで興味がなかったんですけど、緑を眺めながら過ごせる場所だったんですね。祖父に感謝しなくちゃいけませんね」(今西さん)
しかもLDKの真ん中にキッチンを置くことで、入り口にあったキッチンスペースが空くため、その分トイレの空間を広げることもできる。
「トイレをゆったりした空間にしてスタイリッシュな洗面台を置くことで雰囲気が変わりますし、パウダールームのような居心地のよさが生まれると思います」