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新進の相撲部屋に運と人を引き寄せる、2匹のまねき猫。

東京・日本橋浜町の荒汐部屋に暮らす2匹の猫。社交的な部屋の広報モルと、人見知りの甘えん坊ムギに会いに行きました。

撮影・青木和義 文・大澤千穂

稽古場の窓際にある座布団の上が定位置。「猫親方 モル」の木札がかけられた窓越しに彼を撮影するファンの姿も。
稽古場の窓際にある座布団の上が定位置。「猫親方 モル」の木札がかけられた窓越しに彼を撮影するファンの姿も。

午前6時半。東京・日本橋浜町の路地裏で、荒汐部屋の朝稽古が始まる。荒汐部屋は、2002年に元小結・大豊の荒汐親方が開いた、まだ新しい相撲部屋。体と体がぶつかる音、〝てっぽう〟を打つ重く鈍い音。土まみれ汗まみれでまげを乱して鍛錬する力士たちの熱気が早朝の稽古場に立ちこめる。その土俵を、親方とともに見守るのが〝猫親方〟のモルだ。みなぎる緊張感もどこ吹く風、元野良猫のモルは部屋と外を気ままに行ったり来たり。

「でも稽古の始まりには必ず来て、ちゃんと皆を見ています。ほとんどの力士より古参なので、稽古場では親方同然。普段は兄弟子的な存在かな」と部屋の力士、飛驒野(ひだの)さん。稽古後は、2階の居間で朝ちゃんこの時間。力士たちは土俵とはうってかわって和気あいあい。モルもその傍らで濃い灰色の体をごろりと横たえ、リラックスモード。鋭い眼光や風格のある容姿とは裏腹に、人懐っこいモルは誰からも愛される気さくなキャラクターだ。力士たちは口々に言う。「稽古の時も、ちゃんこの時も一緒。いるのが当たり前の〝家族〟です」

どこでも自在に動くモルだが、土俵の中には決して入らない。
どこでも自在に動くモルだが、土俵の中には決して入らない。
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