京都で“ふだん使い”の骨董を探す──旅先で自分好みのものに出合う、一期一会の骨董探し
撮影・原 祥子 文・本庄 彩
祇園で古美術商を営む家に生まれ育つ。時代や国を超えた良品を扱うギャラリー『昂︱KYOTO︱』オーナー。骨董店では、花などのしつらえを見るのも楽しみ。
永松仁美さんに教わる「骨董はじめ」
「時代を超えて受け継がれた器は、使ってこそ輝きます。どんどん暮らしに取り入れてみて」と永松さん。とはいえ、初心者が京都の骨董店を訪れるのは少し緊張感も。気持ちよく過ごすためのマナーとは?
「お店では、器を傷つけるかもしれないアクセサリーを身につけず、ハンドクリームも控えめに。スマホを含む手荷物やかさばる上着は、預けられるとスマートです」
理想の一品との出合いには、店主とのコミュニケーションも大切。
「自分が普段使っているものを思い出し、合わせやすい品を相談するのもいいですね。私が店主なら、たまらなくうれしいです!」
うるわし屋(御所南)
艶やかな漆に魅せられながらとっておきを選ぶ幸せ
京都御苑向かいの店舗に並ぶのは、幕末から昭和初期を中心とした器の数々。中でも椀をはじめ皿や折敷、重箱といった漆器の充実ぶりに目を奪われる。「現代では存在感が薄れつつあるけど、漆器は暮らしに温もりを添えてくれる。ぜひ1点手にしてほしい」と店主の堀内明美さん。時を経た穏やかな艶めきを、日常使いする喜びと出合いたい。「お茶まわりの器や道具の品揃えも豊富です」(永松さん)
ギャラリーすもも(出町柳)
韓国やヨーロッパの古物が並ぶ、美しい“蚤の市”へ
韓国の伝統文化を伝える名店『李朝喫茶 李青』。そのオーナーである鄭玲姫さんが、長年蒐集した李朝時代の陶磁器や工芸品をはじめ、旅行でよく訪れるヨーロッパの古物まで幅広く扱うショップ。蚤の市のような気取らない雰囲気の中、じっくりお宝を探すのが楽しい。「韓国に行っても自分ではなかなか見つけられない、上品な風合いの白磁にほれぼれ。鄭さんのセンスが詰まった空間です」(永松さん)
二十日(下鴨神社)
普遍的な意匠を通して物語を感じる、東西の生活道具
下鴨神社のすぐそばに佇むギャラリーショップ。建築家・木島徹さんが手がけた静謐な空間に、日本や北欧などの古い陶磁器がゆったりと並ぶ。「無数に作られた名もなき品から、好きだな、面白いなと直感で個体を選んでいます」と店主の栗山葉子さん。籠やざるといった編粗品への愛も深く、店内に柔らかな表情をもたらしている。国や時代を超えて、用の美を感じるものと出合える。
『クロワッサン』1161号より
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