“目・胃の疲れ”を回復させ、元気を取り戻す作り置きとスープ

目の疲れには「肝」の働きをよくする食材で「血」を養い 、眼精疲労を和らげる
「肝」を助け、目に潤いを与える帆立、β-カロテン豊富なにんじん、クコをナムル風に。アーモンドに含まれるビタミンEは毛細血管を広げめぐりを改善。

【作り方】
1. 帆立は流水で洗って水気を拭き、縦に四つ切りにする。にんじんは皮をむいて斜め薄切りにしてから千切りにする。クコは熱めの湯で洗って水気を拭く。
2. フライパンに米油を熱し、帆立を煎る。酒、醤油を加えてさらに煎りつける。
3. にんじんをたっぷりの湯で歯応えが残る程度に茹で、ざるに広げて冷ます。2枚重ねたペーパータオルで包み、水気をしっかり絞る。
4. 大きめのボウルにAのにんにく、塩を入れて混ぜ、オリーブ油を加えてさらによく混ぜる。
5. 4ににんじんをほぐしながら加えてよく混ぜ、アーモンドを加えてさらに混ぜる。帆立とクコを加えて混ぜる。

胃の疲れには滋養強壮に優れ、「山薬（さんやく）」と呼ばれる山芋と汁仕立てに
胃の働きを高め、栄養の消化吸収を助ける帆立と山芋を汁物に。山芋はジアスターゼという消化酵素を含み、ぬめり成分には胃の粘膜を保護する働きも。

【作り方】
1. 鍋に水2カップ、いりこ、酒大さじ1/2を入れる。帆立は流水で洗って水気を拭き、酒大さじ2/3を振る。長芋は洗って皮をむき、酢水につけてからすりおろす。
2. 鍋を火にかけ、沸騰したら帆立、酒大さじ1/2を加えてひと煮し、味噌を溶き入れる。
3. すりおろした長芋を加えて混ぜ、小ねぎを加えて火を止める。

「肉体的な疲れ、精神的な疲れ。中医学（中国の伝統的な医学）の観点からいうと、どちらの場合も『気・血』の不足とめぐり不足が最大の原因です」と国際中医師、国際中医薬膳管理師、管理栄養士の植木もも子さん。

「気」は一種のエネルギーで生命力を表し、「血」は血液とそれが運ぶ栄養素を指す。中医学では「気」「血」に「津」（体液）を加えた3要素が絶えず体をめぐり、心身を維持するとされる。消耗した気・血・津は食べ物によって補われ、疲労の場合は特に気・血を養うものが必要だ。

「薬膳では季節や体調に応じて食材を選びます。生命力のあるものを食べて気を養い、血を作るものを食べてきれいな血液を体じゅうにめぐらせる。そうすれば細胞から活性化し元気が蘇ります」（植木さん）