グループの充実した「今」を捉えたデビュー10周年の記念碑──「THIS IS FOR」(TWICE)
高橋芳朗の暮らしのプレイリスト。今回は、日本人3名を含む韓国の9人組ガールグループ、TWICEが3年8カ月ぶりにリリースしたフルアルバム『THIS IS FOR』。今回のアルバムは、今年でデビュー10周年を迎えるTWICEの記念碑的な作品。
文・高橋芳朗
日本人3名を含む韓国の9人組ガールグループ、TWICEが3年8カ月ぶりのフルアルバム『THIS IS FOR』をリリースしました。
今回のアルバムは、今年でデビュー10周年を迎えるTWICEの記念碑的な作品。「This Is For You」などの意味を持つタイトルは彼女たちを支える世界中の「ONCE」(TWICEファンの名称)に捧げられています。
アルバムの表題曲「THIS IS FOR」は、世の女性たちを力強く鼓舞するエンパワーメントソング。9人は曲の冒頭で「もし不当な扱いを受けた経験があるのなら、これはあなたのための歌。大音量でかけて!」と告げると、メンバーが代わる代わる登場しては「あなたは美しく、価値がある」とリスナーを激励します。
ファンとの結びつきを再確認する「THIS IS FOR」のメッセージはデビュー10周年にふさわしい題材といえますが、それは音楽面にしても同様。代表曲の「TT」や「Likey」など、TWICEがデビュー当時から打ち出してきたエレクトロヒップホップのスタイルをアップデートしたサウンドは、グループの10年の歩みを集大成するかのようです。
昨年には韓国のガールグループとして史上3組目の全米アルバムチャート1位の快挙を達成するなど、ここにきてキャリア何度目かの絶頂期にあるTWICE。「THIS IS FOR」には、そんな彼女たちの歴史と充実した「今」が見事にパッケージされているのです。
『クロワッサン』1149号より
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