大人のプチ移住&学びでマルタへ! 準備編:ホームステイ先を飛び出した理由
50代からのプチ移住と学びに挑戦中のライター・坪井由美子さんが、地中海の楽園「マルタ共和国」への移住で困ったこと、役立ったこと、嬉しかったことを綴ります。今回はプチ移住の準備編。
文、写真・坪井由美子
楽しいホームステイの始まり!……のはずが
わくわくとスタートした夢のホームステイ生活は、想定外の問題が発生したため、結果的に1カ月で終了することになりました。今思い返すと、あまりにも条件が良すぎたり、簡単に決まりすぎたり、ほんのりと違和感はあったような気もするのです。ただ、当初は住む所が決まった喜びの方が大きかったのですね。実際に暮らしてみるとZoomでの印象とは異なり、身の危険を感じることもあったため、すぐに家を出ました。
思いもよらない事態に困惑しましたが、良い意味で想定外の出来事も起こりました。
急きょ次の住まいを探さなくてはならなくなり途方に暮れていた時、ひょんなご縁で出会った日本人女性。彼女はちょうど長期でマルタを離れるタイミングで、その間の管理を兼ねて家をお借りできることになったのです。思いがけず、はちみつ色のマルタストーン造りの素敵な一軒家での一人暮らしが始まりました。
住民のほとんどが古くから住むマルタ人という庶民的な地域に住んだおかげで、求めていた「ふつうの暮らし」を体験することができました。バス停前のよろず屋カフェに集う常連さんたちは、毎日バスに遅れそうになりながら走っていく日本人を奇異の目で見るでもなくいつもそこにいて、学校帰りには近所の陽気なおばさんが「おかえり」と声をかけてくれます。
まるで昔からそこに住んでいるかのように、自然となじんでいる自分がいました。
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