みんなの介護の「困った」を解決!:賃貸住宅に住んでいる場合の注意点は?
イラストレーション・山田美津子 文・殿井悠子
Q. 賃貸住宅に住んでいる場合の注意点は?
A. 介護によって起こりうることは、都度、大家さんに相談しましょう。
介護認定を受けた場合、住んでいる賃貸住宅の大家さんに、そのことを伝える必要があるのだろうか。
「むずかしい問題ですね」と森岡さん。
「問題なく暮らせていたとしても、介護認定を受けたというだけで次の契約更新をしてもらえなくなるなどの不利益を被るかもしれません。正確な答えとしては、介護認定を受けたことにより今後起こりそうな問題について、その都度、大家さんに相談しましょう、ということですね」
介護保険で住宅の一部をリフォームしたい場合
階段や廊下に手すりを取り付けたり、和式トイレを洋式トイレに改修したり、浴室のドアを引き戸や折れ戸にしたいというとき、賃貸住宅だと現状回復が原則なので、まずは大家さんの許可が必要だ。改修が認められない場合は、工事が不要なレンタル介護用品を使うことも視野に。
鍵の保管について
訪問看護や介護で医療・介護関係者が頻繁に出入りする場合、鍵のやりとりが問題になることが多い。
「最近は不審者や強盗など物騒な事件も多いので、キーボックスを設置するところも。いずれにしても大家さんに状況を共有しておくとよいでしょう」
引っ越しについて
要介護状態になると、引っ越しは簡単な問題ではなくなってくる。
「2階建て以上の物件に住んでいる場合、車椅子を使う生活になったりすると、1階の部屋やエレベーター付きのマンションに引っ越す人もいます。しかし、高齢になるとなかなか貸してもらえなかったりして苦労することも。金銭面や体調面でのリスクや、連帯保証人を立てにくいといったことが理由に挙げられます」
「とはいえバリアフリーの設備が整った高齢者向けの賃貸物件もあるので、探してみるとよいでしょう。住まい探しにあたっては、近くに医療機関があるかどうかも見ておく必要があります」
『クロワッサン』1134号より
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