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みんなの介護の「困った」を解決!シモの問題、どんなものがある?

介護をしながら暮らしていく中で〝困った〟ことは、随所に潜んでいる。ケアマネジャー、カフェ店長の森岡真也さんに役立つ情報や気をつけるポイントを聞きました。

イラストレーション・山田美津子 文・殿井悠子

Q. シモの問題、どんなものがある?

A. まずはトイレの環境を整えて、必要に応じておむつを活用しよう

シモの問題で、最初に起こるのが便秘と頻尿。食事量や水分量、運動量の不足により便秘になる高齢者は多い。

頻尿に関しては、夜だけまたは昼だけ頻尿になる人や、男性は前立腺、女性は婦人科系の疾患が原因の場合もある。

認知症による尿トラブルは、脳の異常や不安、焦りなどの精神的なものからくる症状なので、尿意はあるのにトイレに行くと出ないということも。認知症が中等度から重度に進行していくと、尿失禁や便失禁の頻度も増えてくる。

頻尿対策としては、トイレの環境面を整えることと、おむつやリハビリパンツの活用がある。

トイレ環境は、移動や移乗の際にどういうサポートが必要なのかを考える。

例えば移動の場合、手すりなど掴まるところがあれば一人でトイレに行けるのか、それとも目印が必要なのか。認知症状がある人は、動線に沿って矢印をつけたり、ドアなどに「トイレ」と書いておいたりすると行ける人もいる。

「トイレに入ってからも注意が必要です。便座に座る動作は狭い空間で体を半回転するので、その動きの補助として手すりをつけたほうが回りやすい」

「また、排泄時の事故で一番多いのは、衣類を上げ下げする際のふらつきによる転倒です。要介護者の状態に合わせて、体を安定させるコツや方向転換を減らす工夫を取り入れましょう」

上げ下げが楽なズボンにしたり、また、おむつやリハビリパンツを着用することでやりやすくなることもある。たとえ間に合わずに失禁しても着替えが簡単なので、介護者の身体的負担や要介護者の心理的ストレスが少なくてすむ。認知症状の人でも抵抗なく着用できるはき心地がよいものを選ぼう。

「介護保険でおむつ代の支給はされませんが、自治体による紙おむつの給付やおむつ代助成制度を利用すれば、経済的な負担が軽減できます」

ポータブルトイレに関しては、部屋のインテリアになじむ家具調のトイレや、汚れを取りやすいプラスチック製のものがあるので、介護の状態や生活に合わせて選びたい。

  • 森岡真也

    森岡真也 さん (もりおか・しんや)

    ケアマネジャー、カフェ店長

    「モテギ」の新宿ケアセンター長として、包括的に地域に貢献。2022年より「サニーデイズカフェ」を立案・創設し、現在は店長に。

『クロワッサン』1134号より

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