使いやすくて、旨味も引き出す!鍋の最適解を料理家が大検証
撮影・黒川ひろみ 文・一澤ひらり
洋風の煮込み料理とスープでは鍋の中の様子が違っている?
有賀 さっそく私たちの“推し鍋”で煮込み料理を作っていきましょう。
樋口 僕は「煮込みハンバーグ きのこクリームソース」を作りますが、簡単で包丁も使いません。ポイントはひき肉に玉ねぎをすりおろして入れること。玉ねぎの酵素で肉が柔らかくなるし、さっぱり仕上がります。通常のレシピだと炒めた玉ねぎを加えますが、炒めて冷ますという工程もいりません。
有賀 実は私も玉ねぎを生のままで入れています。楽だしおいしいですよね。
樋口 焼いたハンバーグをジオ・プロダクトの両手鍋(22cm)に移して、同じフライパンできのこを炒めて肉の旨みを吸わせ、鍋のハンバーグのすき間にきのこを入れていくんです。あとは生クリームを入れて煮込むだけ。
有賀 スープと違って具材をすき間なくみっちり入れるんですね。
樋口 食材で鍋の底を覆うのが西洋の煮込みの基本です。なるべくぴったりの大きさに収まる鍋を選ぶことが大切ですね。
有賀 水もたくさん入れない?
樋口 煮汁から具材が半分ぐらい出ている状態が、フランス料理の基本的な煮込みです。いわば半身浴(笑)。煮汁が多すぎると具材から味が出てしまうから、少ない量で煮ていきます。
有賀 スープとは逆ですね。私が作るのは「海老入り鶏団子とレタスのスープ」ですが、具材が泳いでいる感じがちょうどいいんです。お風呂に心地よく入っているみたいなイメージ。
樋口 いい湯だな~って。
有賀 そう!鶏団子がだしにもなるので、鍋が大きすぎるとだしが回らず薄まってしまうけれど、味わい鍋(片手20cm)だと浅めで鍋底が丸くなっているので、水分量が上までたっぷりくるのでちょうどいいんです。
樋口 薄手の鍋だとぶわーっと沸いてしまうし、口径が広いとすぐ蒸発してしまうから、これぐらい肉厚でサイズ感があるといいですね。
有賀 さあ、出来上がりました。お待ちかね、試食タイムにしましょう。
樋口 有賀さんのスープは海老とマッシュルームの旨みが相乗効果をなして、スープも鶏団子もおいしい。じんわり心まで温かくなりますね。
有賀 樋口さんの煮込みハンバーグ、まさにレストランの味でこっくりした味わい。あんなに簡単なら私も作る!
とっておきの鍋で作る煮込み料理
樋口さん:煮込みハンバーグ きのこクリームソース
鍋に水を入れて沸騰させ、鶏団子をスプーンですくって成形しながら鍋に入れていく。
鍋にハンバーグを並べ、すき間にきのこを敷きつめるように入れ、生クリームで煮る。
有賀さん:海老入り鶏団子と レタスのスープ
鍋に水を入れて沸騰させ、鶏団子をスプーンですくって成形しながら鍋に入れていく。
「鍋の中で、ゆったりお風呂に入っているくらいの分量」が適切。火が通ったらレタスを加える。
広告