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押し型で作る、ハーブ香る洋風押し寿司【川上文代さんのレシピ】

お菓子のようなルックスのお寿司。いったいどこのテイクアウト? いいえ、こちらはみんな手作りです。握らない華やかなお寿司の作り方を、料理研究家の川上文代さんに教わります。

撮影・黒川ひろみ スタイリング・谷口紀子 構成&文・堀越和幸

押し型で作る、ハーブが香る洋風押し寿司。

押し寿司でも鱒ではなくスモークサーモン、さらにバジルやディルと組みわせるところが、洋風押し寿司の〝洋風〟たる所以。

「ハーブはほかにもミントやイタリアンパセリなども相性がいい。大葉、木の芽も合います」

一方、魚はどうか?

「押して潰れない魚。焼き鯖、鯛、ハマチなどがおすすめです」

● スモークサーモンとディルの、洋風押し寿司

 

押し型で作る、ハーブ香る洋風押し寿司【川上文代さんのレシピ】
押し寿司の型は、写真のような切り込みの入ったタイプを使うと、均等に切れて、俄然見栄えがよくなる。
押し寿司の型は、写真のような切り込みの入ったタイプを使うと、均等に切れて、俄然見栄えがよくなる。
押し型で作る、ハーブ香る洋風押し寿司【川上文代さんのレシピ】
押し寿司の型は、写真のような切り込みの入ったタイプを使うと、均等に切れて、俄然見栄えがよくなる。

【材料(作りやすい分量)】
寿司飯 1合分(350g)
スモークサーモンのスライス 30g
ディル 1枝
バジル 2枚
ケイパー 15粒
飾りのハーブ(ディル、バジル)

【作り方】
1.水に浸して水分を拭いた押し寿司の型に、半量の寿司飯を詰め、平らにする。
2.
ディルとバジルの葉をちぎって散らす。
3.残りの寿司飯を重ね、ラップをかぶせて型のふた部分をのせ、軽く押して平らにし、ラップを外す。
4.スモークサーモンを一面に並べ、再度ラップをして平らに整え、ラップを外す。
5.押し寿司の型の切り込みが入っている部分に包丁を入れ、切り分ける。
6.器に盛り、ケイパーとハーブを飾る。


家庭料理でお寿司になかなか手が出せないのは、握らなければならないから。食べやすいサイズで均等に形をそろえて、しかもいろいろなネタがのっても崩れないようにするなんて、プロじゃないからできません……という思いを、今回あっさり覆してくれたのは、料理研究家の川上文代さんだ。川上さんによればちょっとした身近な道具を使えば、握らないお寿司がウソのように簡単にできてしまう。

「ラップを使って、“おにぎらず”のおにぎりのような発想で形を整えたり、100円ショップで売っているケーキやゼリーのシリコン型を使ってご飯を固めると、見た目もきれい、華やかお寿司が家庭でも簡単に作れます」

一貫のご飯の分量はあらかじめ決めておく(あるいは道具によって決まっている)ので、握らずとも成形は道具に任せればいい、これが簡単にして見栄えがいい、の肝だ。のせるネタは冷蔵庫にある刺身や魚介系の食材、好きなものを何でも試してみよう。

「缶詰や瓶詰、あるいは焼き魚と通常のお寿司にはない、ネタの幅も広げられるのも魅力です。季節の野菜と合わせたりすれば、一層満足度が高い」

美味しい秘訣はご飯の炊き方。

「ちょっとだけ硬めに炊きます。お酢の馴染ませ方も、下コラムに紹介しましたので、参考にしてみてください」

寿司飯の作り方

【材料(2~3人分)】
米 2合
すし酢[酢 30ml、塩 4g、砂糖 15g]

1.水で濡らした飯台に、硬めに炊いた熱々のご飯をあけ、すし酢を全体に回し入れる。熱々じゃなくなると、よく酢を吸わなくなるので注意。
1.水で濡らした飯台に、硬めに炊いた熱々のご飯をあけ、すし酢を全体に回し入れる。熱々じゃなくなると、よく酢を吸わなくなるので注意。
2.しゃもじで全体を切り混ぜる。米1粒ずつに酢を行き渡らせるように、均一に混ぜていく。
2.しゃもじで全体を切り混ぜる。米1粒ずつに酢を行き渡らせるように、均一に混ぜていく。
3.水分を吸ってサラサラからベタッとした状態に変わったら、手早く広げ、うちわで冷ます。
3.水分を吸ってサラサラからベタッとした状態に変わったら、手早く広げ、うちわで冷ます。
4.手の甲をかざし(手の平より熱に敏感なので)、冷め具合を確認。目安は体温と同じ位の温度。
4.手の甲をかざし(手の平より熱に敏感なので)、冷め具合を確認。目安は体温と同じ位の温度。
5.ほどよく温度が冷めたら、今度はしゃもじで全体をひっくり返す。このとき混ぜてはいけない。
5.ほどよく温度が冷めたら、今度はしゃもじで全体をひっくり返す。このとき混ぜてはいけない。
6.ご飯裏側の熱もうちわで扇ぎ冷ます。出来上がりは、水で濡らした布巾やラップをかけておく。
6.ご飯裏側の熱もうちわで扇ぎ冷ます。出来上がりは、水で濡らした布巾やラップをかけておく。
1.水で濡らした飯台に、硬めに炊いた熱々のご飯をあけ、すし酢を全体に回し入れる。熱々じゃなくなると、よく酢を吸わなくなるので注意。
2.しゃもじで全体を切り混ぜる。米1粒ずつに酢を行き渡らせるように、均一に混ぜていく。
3.水分を吸ってサラサラからベタッとした状態に変わったら、手早く広げ、うちわで冷ます。
4.手の甲をかざし(手の平より熱に敏感なので)、冷め具合を確認。目安は体温と同じ位の温度。
5.ほどよく温度が冷めたら、今度はしゃもじで全体をひっくり返す。このとき混ぜてはいけない。
6.ご飯裏側の熱もうちわで扇ぎ冷ます。出来上がりは、水で濡らした布巾やラップをかけておく。
  • 川上文代

    川上文代 さん (かわかみ・ふみよ)

    料理研究家

    料理教室『デリス・ド・キュイエール』を東京・広尾で主宰。テレビ、雑誌などで活躍中。近刊に『おうちで作る和のおもてなし 寿司』がある。

『クロワッサン』1119号より

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