魚+季節の野菜で彩る〝夏のちらし寿司〟【川上文代さんのレシピ】
撮影・黒川ひろみ スタイリング・谷口紀子 構成&文・堀越和幸
アジの開きとゴーヤ&ライムの、ちらし寿司
目にも涼やかな佇まいに食卓の歓声が聞こえてきそう。
「今回は焼いたアジの開きをほぐしましたが、魚はほかにも鯖やムロアジなどの開きも相性がいいです」
組み合わせるのは夏野菜。ゴーヤの苦味、ミョウガの香気が魚のちらしをさらに引き立てる。
「ゴーヤは塩揉みをすると青臭さが抜け、ほどよい感じになります」
【材料(作りやすい分量)】
寿司飯 1合分(350g)
アジの開き 1枚
ミョウガ 1本
大葉 3枚
ゴーヤ 5cm
ライムの輪切り 4枚
【作り方】
1.アジの開きは、魚焼きグリルで6分焼き、身をほぐしておく。
2.ミョウガは小口切りにして水に5分さらし、水気を切る。大葉はせん切りにして水に5分さらし、水気を切る。ゴーヤはスプーンなどで種とワタを取り、薄い輪切りにする。塩(分量外)をまぶして10分置き、水にさらしてあくを抜き、水気を切る。
3.器に寿司飯を盛り、1と2をのせ、ライムを飾る。
家庭料理でお寿司になかなか手が出せないのは、握らなければならないから。食べやすいサイズで均等に形をそろえて、しかもいろいろなネタがのっても崩れないようにするなんて、プロじゃないからできません……という思いを、今回あっさり覆してくれたのは、料理研究家の川上文代さんだ。川上さんによればちょっとした身近な道具を使えば、握らないお寿司がウソのように簡単にできてしまう。
「ラップを使って、“おにぎらず”のおにぎりのような発想で形を整えたり、100円ショップで売っているケーキやゼリーのシリコン型を使ってご飯を固めると、見た目もきれい、華やかお寿司が家庭でも簡単に作れます」
一貫のご飯の分量はあらかじめ決めておく(あるいは道具によって決まっている)ので、握らずとも成形は道具に任せればいい、これが簡単にして見栄えがいい、の肝だ。のせるネタは冷蔵庫にある刺身や魚介系の食材、好きなものを何でも試してみよう。
「缶詰や瓶詰、あるいは焼き魚と通常のお寿司にはない、ネタの幅も広げられるのも魅力です。季節の野菜と合わせたりすれば、一層満足度が高い」
美味しい秘訣はご飯の炊き方。
「ちょっとだけ硬めに炊きます。お酢の馴染ませ方も、下コラムに紹介しましたので、参考にしてみてください」
寿司飯の作り方
【材料(2~3人分)】
米 2合
すし酢[酢 30ml、塩 4g、砂糖 15g]
『クロワッサン』1119号より