乗り捨てできるシェアサイクルで、新しい自由を感じて。
いまこそ、挑戦してみませんか。今までとは違う、新しい自分に出会えるはずです。
撮影・三東サイ 文・長谷川未緒
“乗り捨てできる自転車で、 出かける楽しみが増えました。”
シェアサイクルは一定のエリア内に複数置かれたシェアサイクルポート(自転車の貸出・返却拠点)で、自転車を借りたり返したりできるサービス。レンタサイクルと違い、借りた場所に返さなくてすみ、移動手段として近頃人気だ。
校正者の牟田都子さんは一昨年、出張先の福岡市内で利用して以来、このサービスを愛用している。
「福岡市内は見どころがコンパクトにまとまっていて、自転車で回るのにちょうどいいと勧められたんです。たまたま仕事で安達茉莉子さんの『臆病者の自転車生活』を読んだばかりで、自転車いいなぁと思っていたことも、利用の後押しとなりました」
自転車は歩くのとも走るのとも違うスピード感で、考えごとにドライブがかかる感覚があり、エッセイのアイデアを思いつくことも。道に迷っても、自転車ならすぐ引き返せるし「距離を稼げた。運動になった」と前向きに捉えられるという。
自転車を返そうと思ったシェアサイクルポートがいっぱいのときは別の場所まで行かなければならないが、アプリで確認でき、分単位で空いたり埋まったりするため長時間待つことはない。
とはいえ仕事など時間の約束をしているときは使いづらいため、利用するのはもっぱら休日か旅先だ。
「若い頃はギャラリーや書店、雑貨店など気になるスポットを一日に何軒も回りました。それが年齢を重ね、マメにできなくなっていてさみしかったのですが、シェアサイクルのおかげでまたいくつも回れるように。知らない道を通って行きたいところに気軽に行けることで、新しい自由を感じています」
『クロワッサン』1114号より