お金がないのに後輩に奢る夫、就職せず売れない芸人を続ける息子…一体どうすれば?【林家たい平師匠とふなっしーのお悩み相談室】
撮影・青木和義 文・嶌 陽子 構成・堀越和幸
【お悩み】
夫は役者をやってます。と言えば聞こえがいいのですが、マイナーな劇団のほぼ無名の役者です。夫婦二人の生活は私の勤めと夫のアルバイトで成り立っています。夫はカッコつけなところがあり、よく後輩たちに奢ろうとします。小遣いが足りない時は用立てもしますが、奢ったと聞くとさすがに理不尽な気がします。夫の悪癖、なんとかならないでしょうか?(30代・旅行代理店)
たいっしー(以下、た) だんなさん、自分も昔先輩にたくさん奢ってもらったんだろうな。だから自分も奢ってあげたいんだよ。
ふなっしー(以下、ふ) きっと劇団の中で伝統的に続いているんだろうなっしな。
た すごくケチな夫よりいいと思うけど。そのほうが悪癖だっていう見方もできるよ。
ふ この相談者の人も、後輩に親切なところも含めての夫が好きなんだと思うなっし。後輩にビタ一文奢らない人って魅力的じゃないなっし。
た 正直に「家計に余裕がないから、奢るなとは言わないけれど、もう少し稼げるアルバイトを一緒に見つけよう」とか提案してみるといいんじゃない?
ふ 夫が家計の現状を把握していないってことかもなっしな。家計簿をつけて、これくらいの金額までなら奢れるってはっきりさせればいいなっし。
た 奢りグラフみたいなのを作ってもいいかも。奢った金額と二人の収入額をグラフにして一目で分かるようにするの。
ふ お金に余裕がない時は、家に呼んで飲むのもいいかもしれないなっしな。
た うちの師匠は、若い人に奢るのが大好きでね。それを見て育ったから、僕も若い人にはどんどんご馳走するようにしてるんだ。この人の夫も、きっとお金には代えられないことを後輩にしてあげてるんだと思う。夫婦とも納得できるように、一度話し合ってみてほしいな!
【お悩み】
息子は27歳。大学を出てから就職をせず、芸人をしています。でもなかなか売れず、今もアルバイトをする日々。小さいころから芸人を夢見ていた息子のことを応援したい気持ちがある一方で、そろそろ諦めて普通に仕事をしてくれたら安心という気持ちも。親としてどうすればいいか悩んでいます。(50代・パート勤務)
たいっしー(以下、た) 何だかさっきのお悩みと似てるねえ!
ふなっしー(以下、ふ) この相談者さん、さっきのお悩みに出てきた夫の母親かもしれないなっし……。
た 僕は、年齢は全く関係ないと思うなあ。(お笑いコンビの)錦鯉みたいに、40代になって花開く人だっているじゃない。
ふ それに比べたら、20代なんてまだまだなっしな!
た あと「そろそろ普通に仕事をしてくれたら」って書いてあるけど、それをふなっしーと僕に言われても困るなあ(笑)。
ふ 確かに、師匠もふなっしーもある意味全然普通じゃない仕事をしてるなっし!
た 「普通の仕事」って何?ってことだよね。僕は人を幸せにするっていうのが仕事の本質だと思ってる。人を笑わせる芸人は立派な仕事だし、アルバイトだって、もし一人でも喜んでくれる人がいたら、それは素晴らしい仕事だと思うな。
ふ 親としては金銭的なことも心配なのかもしれないなっしな。でも、いつやめるかを決めるのは本人しかないなっし。
た やりたくない仕事をイヤイヤやっているより、夢を追って幸せそうにしているほうがずっと健全だと思う。子どもにやりたいことが見つかったら、それを応援するのが親としてできることです!
【たいっしー&ふなっしーにあなたのお悩みぶつけよう!】
『クロワッサン』1111号より
広告