64歳でインテリアコーディネーターの資格を取得、好きを仕事にした増田牧子さんの物語。
アラウンド60歳で生きがいと収入を得はじめた増田牧子さんの物語。
撮影・黒川ひろみ 文・一澤ひらり
好きなことを学び直すのに、年齢は関係ありません。
MY STORY
●結婚してすぐ
高倍率のマンションに当たり、インテリアに凝る。
●子育て期
パートタイムの事務職の合間に、趣味で短期のインテリア講座に通う。
●子育て後
独立した娘に「お母さんの好きなことは何?」と問われる。
●63歳
インテリアスクールに通い始め、実技をメインに学ぶ。
●64歳
インテリアコーディネーターの資格を取るための学校に入学。
●65歳
64歳で試験合格。インテリアアドバイザーの仕事を始める。
64歳でインテリアコーディネーター資格試験合格を果たした増田牧子さん。
「若い頃からの夢でしたが、60代にもなると、さすがに年齢的にもう無理だとあきらめていました」
が、背中を押したのはひとり娘。自分が独立して家を出た後、無気力になってしまった母親に、何かしたいことはないの? と問いかけた。
「自分を見つめ直して気づいたのはインテリアでした。思い切って63歳でインテリアスクールに入学したんです」
「今さら始めても」とあきらめず、大事なのは「今から」の意欲。
しかし、学んだのが実技重視のスクールだったため、製図やパースなどの課題に追われ、徹夜も初めて経験。卒業後はインテリアコーディネーターの資格を取るための学校に入学した。
「20年近く続けていた事務のパートも辞めて、毎日5時間は勉強したでしょうか。大変でしたけど、好きなことだからできたし、自信にもなりました」
努力が実り、合格率24.5%(2022年度)の難関を突破して資格を取得。さらにインテリア関連の派遣会社に登録し、今年5月から仕事も始めた。
「シニア向けの住宅など、人生経験を重ねてきた私だからこそ、お役に立てることはたくさんあると思います。今さら始めても遅すぎるとあきらめずに、今から始めてみる。何事にも遅すぎることはないと身をもって知りました」
『クロワッサン』1096号より