京都通が薦める、【居酒屋】の厳選4軒。
ジャンル問わず老舗も多ければ、コロナ禍で誕生した良店も多い。
京の店を知り尽くす食通が居酒屋を推薦。
撮影・ハリー中西 文・泡☆盛子
|烏丸御池 |To.(トゥ)
作り手の遊び心が感じられる料理たちにときめく。
(料理家・小平泰子さん)
イノベーティブ系イタリアンとして人気を集める『fudo』の姉妹店。キッチンと一体化したカウンター席がメインで、料理上手な友人宅に招かれたような気分で酒食を愉しめる。料理は和・洋・アジアンを変幻自在にミックスし、フルーツやスパイス、ハーブを効果的に使用。
季節の魚フライにすぐき入りタルタルソースを合わせたり、山椒やカラスミをアクセントにした酒肴仕立ての焼きそばを数種揃えたりと、創意きらめく品々が心を躍らせる。ナチュラルワインから各地の地酒、レアな焼酎風リキュールまでお酒の品揃えもぬかりなし。
●京都市中京区高田町500 ポポラーレ御池1F
TEL.075・708・3720
TEL.17時〜23時LO 木曜休 要予約(1カ月先まで)
Instagram:@to.ainomachi
|木屋町六角 |なな治(はる)
丁寧に作られた粋な酒肴と滋賀の地酒に酔う。
(ライター・泡☆盛子さん)
一見コワモテながら人情味豊かな辣腕料理人の主人と親しみやすい女将さんが営む上等居酒屋。全10席とミニマムかつ居心地のいい空間で、旬の魚や野菜を取り入れた典雅な和食と、滋賀を中心にした各地の地酒を堪能できる。
なかでもぜひ味わってほしいのは、おまかせの串揚げ七串。豆のクリームコロッケ、マッシュルームのグラタン風、春なら筍入り真薯などとひと手間もふた手間もかけた品々が舌を驚かせ、喜ばせてくれるのだ。その日のおすすめが並ぶ黒板には価格が記されていないが、ごく良心的な設定なのでご心配なく。
●京都市中京区西木屋町通六角西入ル北側 シャイン会館1F
TEL.075・211・0784
TEL.17時〜22時30分 水曜休 要予約
| 寺町高辻 | 하하하(ハハハ)
『Kit』の椹木さんもおすすめの店。内装や器も素敵です。
(菓子研究家・福田里香さん)
京都市内で韓国スープ専門店『ピニョ食堂』や韓国風焼き肉『ミリネヤンコプチャン』などを展開する「ピニョグループ」の系列店。オーナーの全敞一さんは「赤くて辛いものだけが韓国料理じゃないと知ってほしい」と、チェジュ島をはじめ現地の郷土料理を中心にした素朴で滋味豊かなメニューに特化。
そば粉や海藻を使った「モンクッ」などスープが主役の定食や、蒸し豚と塩漬け白菜、ウズラと豚肉の煮込みなどの単品はいずれも終日オーダー可能。マッコリや韓国焼酎、ナチュラルワインを傍らに健康的な昼飲み、なんて楽しみ方も。
●京都市下京区恵美須之町516・1
TEL.075・204・2202
営業時間:11時30分〜21時30分LO 木曜、第3水曜休 予約がベター Instagram:@hahaha.teramachi_takatsuji
|姉小路新町|にこみ 鈴(すず)や
銅鍋おでんや名物の煮込みなど目移り誘う品揃え。
(「みんげい おくむら」主人・奥村 忍さん)
町家を改装した空間にL字カウンターがゆったりと備わる大人好みの酒場。看板メニューの近江牛もつ煮は、食感さまざまな3種類のホルモンを京都の老舗『山利商店』の白味噌と赤味噌を合わせた上品な味付けで供する。
ほかにも、炭火で炙るさわら塩たたきや豚足塩焼、鴨ロースなど、シンプルな調理で素材の持ち味を活かした料理が40品ほどスタンバイ。昆布とカツオのだしに塩だけで味付けしたおでんも通年味わえる。界隈では希少な16時オープンゆえ、ちょいと背徳的なフライング飲みを堪能するのもおすすめだ。
●京都市中京区姉小路通新町東入南側二軒目
TEL.075・708・3178
営業時間:16時〜22時LO 月曜休 予約がベター
Instagram:@suzuya_kyoto
『クロワッサン』1089号より