ごはんやパン、野菜や果物…冷蔵庫で美味しく保存するには?
最新の冷蔵庫や食品保存に精通した家電ライフプロデューサーの神原サリーさんと料理研究家の島本美由紀さんにそのコツを聞きました。
イラストレーション・ヒラノトシユキ 文・増本幸恵
Q.パンとご飯のおいしさを逃さず冷凍するには?
A.パンはアルミ箔で包み、ご飯は炊きたてを蒸気ごと!
「デンプンは低温保存がNG。ちょうど冷蔵室の温度帯ではデンプンが劣化しやすいため、保存は必ず冷凍室で。その際は水分を逃さず、ドアの開閉などによる温度差で霜がつかないよう密封することが大切です。
パンの場合は、2〜3日の常温保存で食べきれないものは、少量ずつきっちり包んでから冷凍して。ラップよりアルミ箔のほうが熱伝導率がよく、スピーディに凍るため水分をキープできます。ご飯は、炊きたてを蒸気ごとラップで包むのがポイント。蒸気も一緒に閉じ込めることで、解凍する際にご飯のもちもちがよみがえりますよ」(島本)
Q.低温に弱い夏野菜は冷蔵保存は向かないの?
A.ペーパーに包み、袋に入れて野菜室へ。常温保鮮ボックスの選択肢も。
「なすやピーマンなどの夏野菜は、本来は冷蔵庫が苦手。ただ日本の蒸し暑い夏は常温だとかえって傷みが早いので、1〜2個ずつペーパーで包んでからポリ袋に入れ、野菜室で保存しましょう。アボカドやバナナなど熱帯原産の野菜や果物は、熟成を止めたければ1個ずつラップで包んで野菜室へ。根菜類も夏場はペーパーに包んで野菜室に入れて」(島本)
「光触媒で雑菌やエチレンガスなど有害物質を取り除き、常温で鮮度を保つ“フードフレッシュキーパー”もおすすめ。バナナとリンゴを一緒に入れても持ちがよく、食パンは1週間カビが生えないんですよ!」(神原)
Q.野菜や果物はすべて野菜室がいいの?
A.もやしやカット野菜、湿気が苦手なものは冷蔵室へ。
「野菜室は冷蔵室より温度がやや高く湿気も多いため、雑菌が繁殖しやすいんです。キャベツの切り口が黒くなるのは雑菌によるカビ。野菜室に入れるなら、乾いたペーパーで包むと湿気を吸って黒カビを防ぎます。
もやしは傷みやすいひげ根を取って保存容器に入れ、かぶるくらいの水を注いで冷蔵室に。湿気に弱いきのこ類、いちごなども冷蔵室がベター。しいたけは軸を上に向けてペーパー→ポリ袋、いちごはペーパー→アルミ箔で包むといいですよ」(島本)
「精米したお米は常温より野菜室での保存がおすすめ。ペットボトルに移しておくと使いやすいです」(神原)
Q.本当は冷凍保存がいい食材ってどんなもの?
A.コーヒー豆や乾物、バター、丸ごとの夏野菜もおすすめ。
「コーヒーや鰹節、干し椎茸、とろろ昆布、バターなどは、使わない分を冷凍室へ。ただ頻繁に出し入れすると温度差によって霜がついたり冷凍焼けするため、一度出したら冷凍室には戻さないようにしたいですね。
水分の多いトマトやなす、きゅうりなどの夏野菜は、じつは冷凍向き。1つずつ丸ごとラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍室へ。トマトもきゅうりも凍ったまますり下ろし、麺つゆに入れるのもおすすめ。国産の無農薬レモンは丸ごとか、くし形切りにして冷凍保存しておけば、皮をすり下ろしたり料理の付け合わせにさっと使えて便利ですよ」(島本)
『クロワッサン』1069号より