大人の節約術、まずはレシートチェックでムダを減らす。
イラストレーション・小林マキ 構成と文・生島典子
レシートチェックでムダを減らし、固定費の見直しでつらくない節約を!
日々に節約を心がけていても、なかなか貯蓄が増えないという人も多いだろう。どんなところから手をつければいいのか、専門家に聞いた。
節約アドバイザーの丸山晴美さんは、「最近は、やたらと『モノを捨てる』風潮がありますが、着られる洋服は着る、使えるものは使うことをおすすめします」と語る。
「あるものを生かして、新たに買わない」というのは、節約の基本だ。
「さまざまなものが実質的には値上がりしているので、昔買ったもののほうが明らかに品質がいいものが多く、今は以前と同じ価格で同じ品質のものが買えなくなっています。限られた収入でやりくりしながら貯蓄を増やしたい人は、『捨ててもまた新しいものを買えばいい』という発想はやめましょう」
家計コンサルタントの八ツ井慶子さんは、「節約とは、『お金をいかに使わないか』と考えると気持ちが暗くなってしまいやすいですが、『お金の使い方を洗練させていくこと』と考えると前向きにできそうだと思いませんか」と訴える。
お金の使い方には、自分に本当に必要なものを買う「必買い」と、それほど必要でないものをつい買ってしまう「ムダ買い」があり、「必買い」の部分を増やして「ムダ買い」を減らすと、貯蓄できるようになっていくという。
「具体的には、レシートを必ずもらって、買った品目に○か×をつけ、自分にとっての生き金だったか死に金だったかを判断します。そこには必ず自分のお金の使い方のパターンがありますから、それを振り返りながら、×を減らして○を増やすように行動を見直していきましょう」。
たとえば、どうしても会社帰りにコンビニで余計な買い物をしてしまう人は、コンビニの前を通らないルートで帰るようにする、カフェに行く回数が多い人は、月に行く回数を決める、スーパーで買い過ぎてしまいがちなら、メモしたもの以外は買わないようにするなど。
自分のお金の使い方のクセを知って、対策を考えつつ見直しを繰り返すことが、ムダ買いを減らすためには重要になる。
丸山さんは、「家計の見直しは固定費から手をつけるのがお勧め」と言う。
固定費とは、住居費や水道・光熱費、通信費、保険料など、毎月一定額かかる費用のこと。固定費は一度見直したら効果がその後ずっと続くから、毎月つらい思いをしてやりくりせずにすむ。
「特に通信費の料金プランなどは日々に進化していて、以前契約したままにしていると損をしている可能性が高い。新しい情報をキャッチして、定期的に見直していきましょう」
『クロワッサン』1062号より