スープが大好きなエダジュンさんに聞く、鶏むねスープの基本。
撮影・岩本慶三 文・一澤ひらり
「スープがしみ渡ると幸せな気持ちになるんです。」
管理栄養士の資格取得後、スープ専門店で有名な「Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)」に勤めた経験のあるエダジュンさん。
「無添加でおいしいスープを出すお店で、料理研究家として独立するまでの6年間、毎日ここのスープを食べていました。さまざまな具材のエキスが重なった滋養あふれるスープが体中にしみ渡る感覚は、まさにハッピーそのもの。スープ愛の深さは誰にも負けません(笑)」
スープで胃腸が温まると緊張したカラダがほどけ、ほっこり癒されるのも大きな魅力、とエダさん。
「具だくさんにして食べるスープにすれば、旬の野菜だけでなく、肉や魚などいろんな具材をいっぺんに摂れて、ヘルシーなメイン料理にもなります。味に変化をつければ、毎日でも飽きずに食べられますよ」
そんなデイリースープのベースとして、エダさんが推奨するのが鶏むねスープです。
「鶏むねスープ自体は淡泊な味わいなのでどんな具材とも相性がいいし、味の変化もつけやすいんです。しかも鶏むねスープには抜群の疲労回復効果がありますから、ぜひ毎日作ってほしいですね」
日々、楽しんでスープを作っています。
3つの基本を守って作れば、スープにより一層のコクと深みが!
そこで鶏むねスープ作りでポイントを3つ教えていただきました。
「最初に野菜を炒めることです。スープって野菜をそのまま入れてしまいがちですが、炒めると野菜の旨味が凝縮されて甘味が増し、油でコクが出てくるので、スープの味が驚くほどアップするんですよ」
2つ目は野菜の切り方を工夫する。同じ野菜でも切り方次第で食感や味にバリエーションが生まれます。
「ラタトゥイユスープは具材を小さめの角切りに揃えると火が均一に通りやすく、見た目もきれいで食べやすくなります。焼きねぎをスープに入れるなら長ねぎは大きく切ったほうが甘味をダイレクトに味わえます。またレタスなどの葉野菜は手でちぎってスープに入れ、サッと火を通せば、シャキシャキの食感が残ってサラダ感覚で食べられるんです」
そして、3つ目は旨味成分がある食材や調味料を加えること。
「トマトは旨味成分のグルタミン酸、アスパラギン酸の宝庫だし、きのこに多く含まれるグアニル酸は三大旨味成分のひとつ。桜エビにはグリシンという旨味成分が含まれています。こうした食材にオイスターソースやナンプラー、豆板醤(トウバンジャン)などの調味料を加えると、さらに味の奥行きが広がっておいしくなりますよ」
エダジュンさんの鶏むねスープの基本
【その1】野菜をしっかりと炒める
野菜を少量の油で炒めることによって野菜の甘味が引き出され、味にコクが生まれます。スープに入れる野菜は最初に炒めましょう。
【その2】野菜の切り方で変化をつける
同じ野菜でも大きく切れば食べ応えが増すし、小さく切れば食べやすくなります。葉野菜は手でちぎったほうが食感を楽しめます。
【その3】旨味のある食材を加える
きのこ、トマト、桜エビなど、旨味成分に富んだ食材を加えるとスープに深みが加わります。コクが出るので減塩効果も期待できます。
広告