うつわを使い始める前の効果的なひと手間とは?【プロに教わるうつわのお手入れ】
イラストレーション・小野寺光子
Q.うつわを使い始める前の効果的なひと手間とは?
貫入や粉引などの陶器は、使い始めにでんぷん質で土の目を塞ぐ「目止め」が必要な場合が。
「米のとぎ汁を入れた鍋でうつわを煮るという作業です。土鍋も同様にし、最後に返して底面を完全に乾かすことが大切」
陶器の使い始めには、「色移り」も気をつけたいことのひとつ。
「以前、粉引にいきなりトムヤムクンを入れてシミになったことが。今は使いながらしばらく様子を見るようにしています」
木製のうつわはおろし立ての際、においが気になることも。
「ウレタン塗装や漆塗りは風通しのよい場所に数日おく、また、使い始めにぬるま湯にくぐらせるとにおいも気にならず、汚れも染み込みにくくなります」
陶器・土鍋の目止めの方法。
「気に入ったうつわは、お手入れすると愛着も湧き、より長く使っていきたくなるもの。全てを丁寧にというのは大変なので、気軽に扱うものと使い分けています」
と、みつまともこさん。たとえば磁器は比較的丈夫だが、陶器や耐熱以外のガラスは食洗機、電子レンジの使用は基本的に避けたほうがよく、特に木製は厳禁だという。
「長く使っていくには、指輪をしたまま洗わない、保管に気をつけるといった、ちょっとした普段の心がけも必要だと思います」
基本的なお手入れが大切なうつわ。
●陶器
水分を吸いやすいので、シミやカビに注意が必要。洗った後は風通しのよい場所でよく乾かすようにする。
●木
使っているうちに油分が抜けてかさついてきたりするので、気になったら食用オイル(えごま油、くるみ油、オリーブオイルなど)を塗ると、風合いが保てる上にひび割れの防止に。
●ガラス
ガラスを洗った後、水滴が乾く際に成分が表面に残っていると水アカとなり、ガラスを曇らせる原因に。クリアに保つためには、洗ったらすぐに水分を拭き取るようにすることが大切。
※この号で掲載したうつわは、作家ものなど、雑誌発売時に店舗に同じものの在庫がない場合もあります。ご了承ください。
『クロワッサン』1032号より
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