中国・北京の屋台名物、羊の串焼き【口尾麻美さんのアジアのスパイス料理レシピ】
撮影・黒川ひろみ 文・大澤千穂
【中国(北京)】羊の串焼き
クミンパウダー
セリ科の植物の種を粉状に砕いた香辛料。カレーを思わせる香りと辛さ、ほろ苦さを持つエキゾチックな味わいが世界中で愛される。滋養強壮、消化促進作用など、夏の体を整えてくれる。
クミンの芳香と唐辛子の刺激が食欲をそそる、北京の屋台名物。
北京っ子の大好物・羊肉の串焼き。クミンの香りが羊肉の旨味を引き出し、臭みを消す。弾力ある肉を柔らかく仕上げる鍵は、下味にあり。「タレに入った玉ねぎの酵素が肉を柔らかくしてくれます」。羊肉が手に入らない場合は牛肉でも可。串に刺さずに炒めてもおいしい。
【材料(2人分/10串)】
ラム塊肉(または牛塊肉)300g
A[玉ねぎ1/4個(薄切り) 塩小さじ1 クミンパウダー小さじ1/2 砂糖小さじ1/4 オリーブオイル大さじ5]
B[クミンパウダー大さじ1/2 粗挽き唐辛子(または一味唐辛子)小さじ1/2 塩小さじ1/3 ごま適量]
【作り方】
1.2cm角くらいに切ったラム肉をボウルに入れ、Aと混ぜ合わせて15分〜1時間くらい漬けておく。
2.1を串に刺して天板に並べ、混ぜ合わせておいたBを全体に振りかけて180度に熱したオーブンで15分焼く。食べるときにBをさらに振りかけてもよい。
街角や家庭で愛されるローカルの味を、手に入りやすい食材で。
「消化力を上げるクミンや体を温める八角はじめ、生薬の力が日々の食に根付いているのが、中華圏や東南アジア料理の魅力のひとつ」
と語る口尾麻美さん。今回伝授してくれたのは、日本でも手に入る食材で簡単に作れる各国のローカル食。
「スパイスには素材の味を引き出して深みをもたらす、優れた調味料としての一面も。身近な食材がスパイス一つで新鮮な味に変わります」
高温多湿な日々を乗り切るアジアの知恵を、ぜひこの夏の食卓に。
『クロワッサン』1023号より
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