はじめてのオンライン飲み会で知るいつも通り。【 #クロワッサンの広場 】
はじめてのオンライン飲み会で知るいつも通り。
「ねぇ、ちょっとやってみようか?」
週末自粛の要請が出たはじめての週末。いつもの仲良しメンバーのグループLINEでふと誰かが言い出したメッセージ。
それはSNSなどでも盛んに言われている“オンライン飲み会”の誘い。
SNSを通じてみんなが元気なのは知っているし、普段通りの日常を過ごそうとしている。
でもやっぱりそこはかとない“不安感”はぬぐいきれなかった。
よしやってみよう。
じゃあつないでみよう。
あれ、うまくいかないよー。
なんていって5人が集まった。
みんな部屋着、そしてメイクをしていない友人たちの顔に、「みんな顔がイケてないねー」なんて笑いながら画面越しで乾杯。
最初は自分の顔が映る画面に照れてしまったけど、それよりも何よりもホッとしてしまった。みんながちゃんといて、生活していることに。
いつも見慣れている顔たちの、どこか緩んでいる表情がなんだか嬉しい。
話す内容は、今見ているテレビの話、好きな芸能人の話……。いつもと変わりない内容だけど、出てくる言葉の最後には
「このムードが終わったら絶対に行こうね、やろうね」
今まではいつかやればいいと思っていた日常の些細なことも、キラキラ輝く宝石みたいな出来事だったのだと改めて思わされる。
最初ははじめてのオンライン飲み会で浮き足立っていたが、徐々に飲んでいたお酒がなくなったから買ってくる人、ごはんを食べ始める人、携帯をいじり始める人、途中参加する人、眠いから寝る、と言って離脱する人……。
そうそう、私たちは普段からこんな感じで足並みが揃わない。
なんだ、いつも通りじゃん。
また来週もオンライン飲み会をする約束をして、通話ボタンを切って、すぐ眠りへ。
回を重ねていくうちに、自作したおつまみを見せ合ったり、今週の出来事を話したり。
新しい楽しみも増えてはいるけど、会話が途切れる時間も増えている。
でも気にならない。それがいつもの私たちだから。(小手毬)
編集部からひとこと。
ネットを使いこなす世代を中心に大流行のオンライン飲み会。ああ、こういう感じなのか、と大変興味深く拝読しました。実際に集まれないのは少し寂しいけれど、インテリアを見せあったり、料理自慢をしたり、リアルとは違う楽しみもありそうですね。(編集部のぐぽん)
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